細胞の情報を初期化し、さまざまな臓器や組織になれる能力(多能性)を持たせた人工多能性幹細胞(iPS細胞)を巡り、ネコでも高品質の細胞作製に成功したと、20日までに大阪公立大などのチームが発表した。病気のネコから細胞を作ることで、疾患を再現して調べたり、薬の効きを確かめたりすることに応用できるという。 チームによると、さまざまな細胞に分化する能力などiPS細胞の特徴がすべて確かめられたものをネコで作製したのは世界初という。世界的に動物実験を避ける流れがある中で、鳩谷晋吾・大阪公立大教授(獣医学)は「iPS細胞が代わりを果たせるのではないか。難しい病気の解明に期待したい」と話した。