【小堀龍之】日本語をコンピューターに吹き込むと、ほぼ時間差なく英語に翻訳してくれる「自動同時通訳」の技術を、奈良先端科学技術大学院大の中村哲教授(情報科学)らが開発した。東京五輪がある20年までの実用化を目指す。25日から愛知県豊橋市で始まる日本音響学会で発表する。 日本語は述語が最後の方に来るため、文末まで聞かないと意味がわからない。同時通訳者は、意味をある程度予測しながら会話の途中で文を区切って訳し始めるが、既存の翻訳ソフトでは文末を待つ必要があり、話が長いほど時間差が大きくなる問題があった。 中村教授らは、日英対訳の文章50万対と単語240万対の情報をコンピューターにあらかじめ入力し、単語の並び順のパターンを分析。ある単語が来た時に、そこで区切って翻訳できるかどうかを見極める方法を考案し、翻訳の精度を落とさず、遅れを従来の5秒から1〜2秒まで縮めることに成功した。実際に講演を翻訳