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ブックマーク / cocolog-nifty.hatenablog.com (5)

  • 夏目漱石『こころ』の K はなぜ先生をぶん殴り車夫にならなかったのか - 山下泰平の趣味の方法

    大人になると読み方がかわる 『こころ』の K はどのような人間なのか K のような苦学生はたまにいた 夜学校の先生になったのは合理的な判断ではあった 苦労すれば強い人になれる 苦学の世界は二つあった 先生と K の旅行 大人になると読み方がかわる 夏目漱石による小説『こころ』は、名作とされている。 初版復刻版 こゝろ (岩波文芸書初版復刻シリーズ) 作者:夏目 漱石岩波書店Amazon 有名な作品なだけに、色々な人が様々なことを書いているが、誰もが否定できないのはとにかく面白く読めてしまうことだろう。『こころ』は新聞連載小説であるため、一日の掲載分の終盤には、次回への期待を煽られるようなことが書かれている。ついつい続きを読みたくなってしまうような構造で、このあたりは職業作家夏目漱石の面目躍如といったところであろう。 ただし漱石の初期作品とは異なり、『こころ』には書きながら考えているよう

    夏目漱石『こころ』の K はなぜ先生をぶん殴り車夫にならなかったのか - 山下泰平の趣味の方法
    highAAA
    highAAA 2023/07/19
  • 子規の無謀、漱石の豹変、龍之介の演出、三者三様の夜間旅行 - 山下泰平の趣味の方法

    明治時代の忘れ去られた文化を調べている際に、正岡子規、夏目漱石、芥川龍之介が、それぞれ夜間旅行をしていたことに気が付いた。それぞれの旅行を比較するとなかなか面白く、記事としてまとめてみると16000文字くらいの長さになった。 夜間旅行があった 子規の無謀 漱石の豹変 芥川の演出 子規、漱石と龍之介の間 夜間旅行があった 明治三十年代から四十年終りまで、出世のための徒歩旅行があった。ほぼ無一文で家から飛び出し、心身を鍛え上げながら都会へ移り住む。都会では働きながら学問を修め、やがては一人前の男へと成長する。このプロセスをひとつの旅行として捉えたものが出世旅行である。明治の出世旅行は深く人生に結び付き、生き方を変えてしまうようなものであった。 出世旅行が登場する以前から、若者たちは謎の情熱に突き動かされ、なにかを体験しようと奇妙で無鉄砲な旅をした。彼らは様々な旅行を試行し、体験談を書き残す。そ

    子規の無謀、漱石の豹変、龍之介の演出、三者三様の夜間旅行 - 山下泰平の趣味の方法
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    highAAA 2020/11/28
  • ゴールデンカムイに触発されて明治四十三年に書かれたアイヌのヒロインと不死身の豪傑が旅する講談速記本を24000文字くらいかけて解説することにした - 山下泰平の趣味の方法

    ゴールデンカムイが面白い 明治娯楽物語における北海道の扱い 源八郎とヒロインの出合い 殺し合いの後で友達になろう 源八郎がロシア人になった理由 シャマケンは源八郎のため奔走し源八郎はロシアへ渡る 学習漫画的側面 苦学生という存在 源八郎とシャマケンの旅 もうひとつの似ている点 ゴールデンカムイが面白い 人からゴールデンカムイが面白いとお勧めされたので読んでいる。グルメ漫画だと思い込んでいたんだけど、実際は人の皮を集めるみたいな話だった。少しビックリしたものの、確かにものすごく面白い。 今は石川啄木が出てきたあたりで、私は文学が基的に好きだからちょっと嬉しい。そのうちアイヌと啄木つながりで金田一京助や知里幸恵、グラフ誌の関係で国木田独歩あたりが出てくるのかなと、楽しみにしている。国木田独歩がビリヤードをしていたら最高だと思う。 その他にゴールデンカムイの世界で活躍できそうな明治期の文学者と

    ゴールデンカムイに触発されて明治四十三年に書かれたアイヌのヒロインと不死身の豪傑が旅する講談速記本を24000文字くらいかけて解説することにした - 山下泰平の趣味の方法
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    highAAA 2020/11/19
  • 岩波文庫解説目録(2020年版)の100冊を選んでみた - 山下泰平の趣味の方法

    選んでみました 岩波文庫解説目録(2020年版)から100冊選んでみた。 あくまで2020年版から選んだものなので、岩波文庫のベストなリストではない。あと上下巻やら全6巻みたいなものもあるので、厳密には100冊ではない。 これがなんのためのリストなのかといえば、私が岩波文庫解説目録(2020年版)を眺めてたら面白くなってしまい、気が向いたので100冊選んだものでしかない。既読(含む、岩波文庫以外で読んだもの)だと思われるものから、読んで良かったような記憶があるものを抽出している。 そんなわけで紹介しているものを全部読んだところで、生き方や人生が変わることはない。ただし自分が好きなジャンルくらいは発見できるかもしれない。それに加えて私が日の近代以降の文化が好きなので、読むと近代以降の日文化を理解しやすくなるといった効果はあると思う。 意識したのはつながりで、ここは他のリストと少しだけ違

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    highAAA 2020/09/01
  • 明治大正文学の雰囲気を知ることができる書籍まとめ - 山下泰平の趣味の方法

    はじめに 今の私はちょっとした事情があって、マイナー犯罪実録作品とその作者について調べている。その作者は、明治の三五年あたり東京の麻布及び硯友社あたりに出没していたらしい。そんなわけで文学者たちによる明治三五年辺りの記述を調べてたりしてるんだけど、謎の作者の影も形も見当らない。つまりこの作業は徒労だったわけです。 ただ改めて明治大正時代の文学者の語る思い出話を読むと、とても面白かった。こういうを読んでおくと、明治大正文学の雰囲気を知るためには、とても役立つと思う。 そんなわけで今回は、普通の人が読んで面白いものを選んで紹介しておきます。 明治大正文学の面白さ 明治大正の文学の世界は狭い。だからつながりが発生する。 意外なところでは、国木田独歩と柳田國男が一緒に飯をべながら爆笑していたりする。夏目漱石に限っても、樋口一葉の家との縁談があったり、森鴎外が住んでいた借家に住んだり、テームズ川

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