ソ連時代にノーベル文学賞を受賞したソルジェニーツィンの「イワン・デニーソヴィチの一日」を読み終わった。 イワン・デニーソヴィチの一日 (新潮文庫) 作者:ソルジェニーツィン 新潮社 Amazon 「文化革命時代の中国でこっそり読まれていた」と知って読み出したのだが、思いもよらずタイムリーな読書になってしまった。 後書きや作者本人の言葉を読むと、本作は「ロシアという国の特徴とロシア人の典型、ロシアの国民性」を描こうとするロシア文学の系譜につらなるものだ。 ドストエフスキーが「ゴーゴリの『外套』は、ロシア人の一類型を描いている」と評したように、ロシアの作家は他の国の作家よりも「ロシア人とは何なのか、どういう国民性なのか」にこだわっている印象が強い。 2022年2月26日の読売新聞朝刊で、ドストエフスキーの新訳(光文社版)を行った亀山郁夫がロシアの国民性について語っている。 ロシアには古来、個人
![【小説感想】「作家は、社会から不当な扱いを受けることを覚悟しなければならない」迫害されたノーベル文学賞作家が描く収容所生活「イワン・デニーソヴィチの一日」 - うさるの厨二病な読書日記](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/e48667b974f162a81f6689ae9ce5c2790a844e4c/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fm.media-amazon.com%2Fimages%2FI%2F51pGSPhzC9L._SL500_.jpg)