[評者]福井 健策 (弁護士・日本大学客員教授) ■政策決定の道筋を大胆批判 些(いささ)か扇情的なタイトルは、おそらく日本の著作権法が一九九〇年代以降、急速に厳罰化・厳格化されつつあるという著者の危機感の表れだろう。確かに、海賊版対策の合言葉のもと、著作権侵害の罰則は現在「最高懲役一〇年若(も)しくは一千万円以下の罰金」と、わずか十年ほどの間に上限刑期で三倍以上、金額で十倍にも厳罰化されて来た。 ただ公平を期しておけば、評者は日本の著作権法やその運用が他の先進国に比べて厳しいとは、必ずしも思わない。例えば欧米が長期化へとひた走った「保護期間」では、日本はカナダと共に現状維持派の最後の砦(とりで)となりつつある。「非営利の上演・演奏・上映」を自由化する規定など、文化や教育の現場で大きな役割を果たしている条文も少なくない。著作権侵害の場合の賠償金の相場など、アメリカは日本のはるか上を行くだろ
2000年に発覚したNPO法人「東北旧石器文化研究所」(解散)の元副理事長による旧石器発掘捏造(ねつぞう)事件から10年。 当時、文化庁の主任文化財調査官だった岡村道雄氏(62)が、事件を振り返った『旧石器遺跡捏造事件』(山川出版社)=写真=をこのほど刊行した。 岡村氏はかつて、元副理事長らとともに、後に捏造と判明する宮城県の座散乱木(ざざらぎ)遺跡や馬場壇A遺跡などを調査、同庁の考古速報展でも積極的に元副理事長らによる“発掘成果”を紹介してきた。このため、捏造を見抜けなかったことを批判された上、陰で糸を引いていたなどとも非難された。 著作では「捏造を指示したとか、教唆したとかまで論を飛躍させて批判されるのは極めて遺憾」と反論する。また、学術知識を持たない元副理事長が、専門家も欺くほど巧妙な地層に石器を埋めていた点については、専門家が交わす議論に現場で「耳をそばだてていたのだろう」と推測。
パオロ・マッツァリーノの著書「反社会学講座」と「続・反社会学講座」(ともに、筑摩書房による文庫版)。プロフィール欄には「日本文化に造詣が深い、イタリア生まれのアラフォー戯作家」「父は九州男児の国際スパイ」と、どう捉えていいか微妙な情報が並んでいる 「少年犯罪が深刻化している」「フリーターの増加で日本が傾く」――。 そんな言葉を耳にしたとき、人は「そんな気がする」と頷いたり、「そんなわけないだろ」と憤ったりと、様々な反応をする。だが、自分でデータを調べて肯定や否定をする人はそういない。だからこそ、綿密な情報収集と論理でそうした「常識」をおちょくり続けるサイト「スタンダード反社会学講座」は、月1ペースの更新でも強烈な存在感を保っている。 運営者は、「イタリア生まれのアラフォー戯作家」と自称するパオロ・マッツァリーノ氏。このサイトを皮切りに、「反社会学講座」「つっこみ力」「日本列島プチ改造論」な
連休中に暇を見ていくつか書を読んでいたのだが、中でも印象に残ったのが、↓である。 俺たち訴えられました!---SLAPP裁判との闘い 作者: 烏賀陽弘道,西岡研介出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2010/03/10メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 113回この商品を含むブログ (13件) を見る 4部構成だが、いずれも週刊誌等を活躍の場としているフリーライター2氏(+α)の対談形式、という体裁になっていることもあり、全編を通じて読み物風の柔らかさがある。 だが、そこで語られている中身は、かなり深い。 本書には、「訴えられる側」の当事者として「名誉棄損訴訟」に直面した方にしか書けない、ルポルタージュ的要素がぎっしり詰まっている*1。 特に“60件訴えられた”という西岡研介氏の“裁判に向けた周到な準備”の有り様(特に弁護士とのやり取りや、火種となった雑誌編集者等とのやり取り
コンポーネントの作成から実装まで学べる! 発売日: 2024/7/23 好評発売中 Web作成・マーケティング 詳細を見る
最新・音楽著作権本の決定版「すぐに役立つ音楽著作権講座」が12月21日に刊行された。音楽著作権というだけで、難しそう・めんどくさそう・どうでもいいや…と、ないがしろにされがちなところだが、音楽業界が成り立っているのは、ひとえにこの法律のおかげ。 少なくとも音楽業界に興味があったり、ましてミュージシャンになりたい、あるいはミュージシャンを応援したいと思うのであれば、この書籍はぜひとも目を通してもらいたいバイブルのような一冊だ。書籍「すぐに役立つ音楽著作権講座」とはどんな本なのか。そもそも音楽著作権とは? 音楽業界で30数年にわたり契約関係の業務に携わってきた著者の秀間修一氏に話を聞いた。 ──本書「すぐに役立つ音楽著作権講座」を執筆しようと思ったのはいつ頃のことでしょうか? 秀間:もう5~6年前になりますけど、そういう本を書こうかなっていうことはあって、簡単な企画書まで作ったことはありました
島並 良 (神戸大学教授),上野 達弘 (立教大学准教授),横山 久芳 (学習院大学教授)/著 2009年10月発売 A5判並製カバー付 , 310ページ 定価 2,750円(本体 2,500円) ISBN 978-4-641-14373-9 Copyright Law in japan 知的財産法 > 著作権法 入門書・概説書 ◎2014年2月の第7刷発行に際し,2009年の本書刊行以降の重要な判決・法改正などに関する追補を作成いたしました。 第6刷までの本書をお持ちの方は併せてご利用ください。 →◎追補をみる 人の創作活動は,日常生活やビジネスにとって欠かせないものであり,著作権法に対する理解の重要性も益々高まっている。本書は,初めて著作権法を学習する人に最適の入門書。具体的事案を多用したわかりやすい解説により,著作権法とは何かを興味深く学ぶことができる。 ※関連書籍ご紹介『特許法入門
2009年9月29日 デズモンド・モリス『キャット・ウォッチング』 デズモンド・モリスの名著『キャット・ウォッチング』の新版ができました。 2冊同時刊行。 1冊目は『なぜ、猫はあなたを見ると仰向けに転がるのか?』。 岩合光昭さんの猫写真と、佐藤優さんの巻末エッセイ 「拘置所の中で読んだ『キャット・ウォッチング』」も収録されています。 もう1冊は『猫に超能力はあるか?』。 こちらにも岩合さんの写真がたっぷり。巻末エッセイも岩合さんです。 どちらもB6変型判、定価1,260円(税込)です。 取次搬入は10月2日、翌3日から書店店頭に並びます。 モデルは営業Y川の愛猫、くれはちゃんでした。 くれはちゃんも、やっぱり仰向けになるそうです。 投稿者 平凡社営業部 時刻: 9/29/2009 ラベル: 単行本 0 コメント: コメントを投稿
駒沢公園行政書士事務所日記 美術・音楽・写真・デザイン・IT系の利用規約・著作権契約書作成、ライセンス監査業務を行う行政書士大塚大のブログ。 2004年開始。このブログでは主に著作権法・不正競争防止法、営業秘密保護、ライセンス契約にかかわる知財判決を取上げています。https://www.ootsuka-houmu.com なお、ブログの内容は加除訂正されることがあります。判決内容については、判決文をご確認ください。 大家重夫先生のご論考「著作権法のあらましと最近の著作権紛争」が「マーチャンダイジングライツレポート」586号(44巻8号)75頁以下に掲載されています。 東南アジアの法律家向けのご講演の草稿に加筆を加えたもので、日本の著作権法の歴史から最近の著作権判例まで概観された内容となっています。 マーチャンダイジングライツレポート 2009-08 - 商品化権資料センター (Merch
仕事帰りに寄った本屋で見つけて、ついつい買ってしまった。 東京大学ビジネスローセンター公開講座―ビジネスローの新たな動向 作者: 中山信弘,中里実出版社/メーカー: 商事法務発売日: 2009/05メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (1件) を見る 自分はこのBLCの公開講座には、初期の頃にちょっと足を伸ばして見た・・・くらいのかかわりしかないのだが、“コンプライアンス”という言葉が世の中に出始めたり、司法制度改革がニュースとして取り上げられるようになってきたり、といった時代の風潮とも相まって、会場が非常に賑わっていた、という印象が強い(最初の数回は・・・)*1。 よく見ると、一度NBL等で活字化された講演を再録しただけのもの、のようにも見えてしまうのだけれど*2、それでもトリを飾っている中山信弘名誉教授の最終講義録をはじめ、貴重な講演が多数一冊の中に盛り込まれてい
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く