「海保」職員とはどんな人たちなのか。海上保安官の活動ぶりを描いた人気漫画「海猿」の原案・取材を手掛けた漫画原作者の小森陽一さん(43)は、ビデオ映像流出事件について、「やむにやまれず出した、と思いたい」と語る。 小森さんは10年以上前から取材し、約200人の海上保安官に会って話を聞いた。初めての取材時には「海上保安官は『黙して語らず』です」と言われ、まともに話が聞けるまで半年かかったという。職員に対する一般的な印象は「口べたな人が多いが、一言で言うと正義の味方」。打ち解ければ、一緒にいて気持ちが良く、底抜けに笑う人ばかりだったという。 一方で、「迷えない人たち」とも評する。救難、警備の現場は一瞬の迷いが命取りにつながるからだ。即断即決が必要な仕事と感じたという。 生活に身近な警察官や消防士と違い、仕事の内容は一般の人たちに知られることは少ない。海猿などの作品を発表した際は、海上保安官の家族