ストレスが全て悪いというわけではない。生きていくうえでストレスはつきものだが、中には人を負のスパイラルへ突き落としてしまう類のものもある。 慢性的に受ける過度なストレスは、うつ病への片道切符のようなものだ。それは分かっているが、生物学的には不思議だ。手に負えないストレスとうつ病との因果関係がよく分からないからだ。 さらに個人差も大きい。同じストレスをうけても、うまく対処できる人がいる一方で、それで心を病んでしまう人がいる。この違いは何なのだろうか? 『The Journal of Neuroscience』に掲載された研究では、一見したところ直感に反するストレスでうつ病になるメカニズムが紹介されている。 うつ症状とセロトニンの意外な関係 それまでは大好きだったはずなのに、喜びを感じられななくなってしまう。ちっとも楽しさを感じられない「無快感症」は、うつ病の中核的な症状だ。 カリフォルニア大