世は空前の(?)低山登山ブームである。その火付け役はNHKの「にっぽん百低山」であろう。ただし,吉田類さん(以降敬称略)曰く「百は自分が百歳まで続けるの意味で,百座で終わりというわけではない」と言っており,実際に番組内でも登った山の数はさして気にしていないようであった(そもそも二回登っている山がいくつかあって,重複カウントを許すならとっくの昔に百座を超えている)。 ともあれ,このブームに乗って雑誌『山と溪谷』が11月号で「決定! 日本百低山」と銘打つ特集を組み,日本各地の登山家たちにアンケートをとって独自の百座を定めていた。この百座はNHKのものと全く異なっている。NHKのものは吉田類が決めており,「最初は小林泰彦さんの『日本百低山』を参考にしていたが,調べていくうちに,(地元の)人とのかかわりが深い場所を選定するようになった」と違いが生じたことを述べている。この小林泰彦の『日本百低山』こ