根拠なき熱狂? グラミン銀行の成功でユヌスはノーベル平和賞に輝いたが Rafiqur Rahman-Reuters 世界的な金融危機で、確かだと思われていた多くの常識が覆された。だがその中で生き残ったものが一つある。「小さいことはすばらしい」という古くからの格言だ。貧困層に豪邸を売りつける時代はもう終わった。いま市場規模をどんどん拡大し、隆盛を極めているのは、低所得者向け小規模金融のマイクロファイナンスだ。 バングラデシュの経済学者ムハマド・ユヌスが1976年に貧困層を対象にした小規模融資を始めて以来、少額の融資で貧しい人々を救い出せるという考えは世界中に広まった。民間団体や世界銀行、さらに金融機関までがこの分野に参入し、途上国で無数の貧困層を相手に顧客を増やしてきた。 ユヌスが06年にノーベル平和賞を授賞したのを機に、ブームは先進国にも広がった。ユヌスがバングラデシュで創設したグラミン銀