異色のスターホース・オジュウチョウサンが次週の九十九里特別で平地2勝目へ――。と、ややベタな冒頭文を考えていた矢先、管理する和田郎調教師から「出走回避」の発表があった。「左トモの違和感のため大事を取って」がその理由だ。 実はこの発表が出た水曜の午前中は、平地連勝の可能性を探るべく、ある男を取材するつもりだった。3年間タッグを組んで障害レースで伝説を築き、平地転向とともに主戦を降りた後も、毎日のようにオジュウに調教をつける石神深一ジョッキーだ。突然の回避で状況は一変したが、記者はむしろ石神に会いたくなった。競馬ファンの夢を背負うオジュウチョウサンは大丈夫なのか? 有馬記念には間に合うのか? 調教後の石神にアポイントを取り、事の経緯を詳しく聞いた。 「実は1週前の時点で感じが良くなかったんです。8月下旬に放牧から帰ってきたときはいつもと変わらず“4週間あれば仕上がる”と思っていましたが、調教を