【ワシントン=渡辺浩生】中国の通貨当局が、国際通貨基金(IMF)の国際準備資産である「特別引き出し権(SDR)」の構成通貨に人民元を加えるよう主要国に働きかけていることが5日、分かった。ドル、ユーロ、英ポンド、円で構成されるSDRだが、実現すれば、人民元がより一層、国際通貨に近づくことになる。 SDRは、IMFの加盟国が外貨準備不足などに陥った場合、IMFを通じてほかの加盟国から外貨の融通を受けられる権利。 SDRの価値は4つの通貨の加重平均(バスケット)で定められ、世界の貿易や資本取引に占める主要通貨の重要性が反映されるよう5年に1度、見直される。今年はその時期にあたるが、国際金融筋によると中国の通貨当局は、次回の見直しの2015年を念頭に人民元の加入を目指し、米英など主要国に意思表示しているという。 ドルを軸に世界最大の外貨準備を抱える中国は将来のドル安による外貨準備の価値下落を懸念し