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ブックマーク / blog.livedoor.jp/yamasitayu (9)

  • 寺脇研『文部科学省』(中公新書ラクレ) 6点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

    11月25 寺脇研『文部科学省』(中公新書ラクレ) 6点 カテゴリ:政治・経済6点 「ゆとり教育」のスポークスマンとしても有名だった、元文部科学省の官僚・寺脇研が古巣の文部科学省とその全身の文部省について語った。 元官僚が出身省庁について書いたというと、やたら批判的か、ヨイショか、あるいは遠慮からか表面をなぞっただけ、といったタイプがありますが、このは基的にはヨイショ。「応援団」的な立場から書かれています。ただ、中身はけっこう踏み込んで書いているので、無意識的に体質を露呈しているところもあって面白いです。 目次は以下の通り。 第一部 「三流官庁」の真相 1章 日教組、臨教審……――歴史をさかのぼる 2章 小・中・高・大との「距離」 3章 教育委員会との力関係 4章 他省庁との協調・対立 5章 PTA、メディア、そして国民との関係 第二部 政治の激動の中で 6章 大臣と「御殿女中」

    寺脇研『文部科学省』(中公新書ラクレ) 6点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期
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    hmmm 2017/01/19
  • 2016年の新書 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

    12月22 2016年の新書 カテゴリ:その他 去年、「2015年の新書」というエントリーを書いてからここまで合わせて55冊の新書を読んだようです。 今年は6月から10月にかけて読みたいと思わせる新書の刊行ラッシュでした。そのせいもあって、読みたかったけれども読めずに終わってしまった新書もけっこうありました。 というわけで、豊作の一年の中から例年通り5冊をあげてみたいと思います。 一応、順位を付ける形で並べますが、上位3冊は横一線。2位、3位のが著者の今までの著作からして期待通りだったのに対して、1位のは期待を大きく上回る面白さだったので、こうした順位になっています。 移民大国アメリカ (ちくま新書) 西山 隆行 筑摩書房 2016-06-06 売り上げランキング : 55731 Amazonで詳しく見る by G-Tools 今年のニュースといえば、大統領選におけるトランプの勝利が上

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  • 細田晴子『カストロとフランコ』(ちくま新書) 9点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

    3月21 細田晴子『カストロとフランコ』(ちくま新書) 9点 カテゴリ:政治・経済9点 タイトルを聞いた時は二人を結びつけるものが頭に浮かびませんでしたし、「どうせ強引に共通点を見つけ出したりしているだけでは?」と思って買う予定にいれていなかったのですが、著者が外交官としてスペイン大使館に勤務し、政治学のなどを出している個人出版社の吉田書店から(『カザルスと国際政治』)を出していることを知って読んでみました。 カストロとフランコの弾圧者としての側面をまったく描いていないなど、やや対象を美化しすぎているきらいもあって欠点もあるだとは思いますが、これは面白いです。 社会主義革命を成し遂げたカストロのキューバと、反共産主義の独裁者フランコ率いるスペインが、なぜ国交を断絶させずに付き合い続けたのか?という疑問から、キューバ・アメリカスペインの外交の三角形を見事に読み解いていきます。 著者は

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    hmmm 2016/03/31
  • 二松啓紀『移民たちの「満州」』(平凡社新書) 9点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

    8月3 二松啓紀『移民たちの「満州」』(平凡社新書) 9点 カテゴリ:歴史・宗教9点 京都府天田郡(現在の福知山市)の天田郷開拓団の関係者からその資料を託されたことをきっかけにして満蒙開拓団について調べ始めた京都新聞の記者が、「満州移民とは何だったのか?」ということを明らかにしようとした。 たんに京都からの満州移民のルポというようなものではなく、「国策」としての満州移民が、いかに立案・推進されたか、そして悲劇を生み出したのかということを幅広い視野で分析しようとしたでもあります。 満州移民という政策の問題点についての分析と、その政策が個々人にもたらしたものがバランスよく記述されており、非常に良いになっていると思います。 1931年に満州事変が起こり、翌32年に満州国の建国が宣言されましたが、当時の日の支配は「点」(都市)と「線」(鉄道)でしかなく、「面」の支配とは言えない状況でした。

    二松啓紀『移民たちの「満州」』(平凡社新書) 9点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期
  • 中野円佳『「育休世代」のジレンマ』(光文社新書) 7点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

    10月5 中野円佳『「育休世代」のジレンマ』(光文社新書) 7点 カテゴリ:社会7点 昔に比べれば、産休・育休育児支援の制度が整ったかに見える今、それでも総合職に就職した女性の多くが、出産もしくは育休後の復帰を経て、会社を辞めている。男性と肩を並べて受験や就職活動にも勝ち抜き、出産後の就業継続の意欲もあった女性たちでさえ、そのような選択に至るのはなぜなのか。また会社に残ったとしても、意欲が低下したように捉えられてしまうのはなぜなのか。 このでは、実質的に制度が整った2000年代に総合職として入社し、その後出産をした15人の女性(=「育休世代」と呼ぶ)に綿密なインタビューを実施。それぞれの環境やライフヒストリーの分析と、選択結果との関連を見ていく中で、予測外の展開にさまざまな思いを抱えて悩む女性たちの姿と、そう至らしめた社会の構造を明らかにする。 これがの見返しに載っている書の内容紹

    中野円佳『「育休世代」のジレンマ』(光文社新書) 7点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期
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    hmmm 2015/03/31
  • 2014年の新書 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

    12月30 2014年の新書 カテゴリ:その他 今年は58冊の新書を読みました(例年そうですが、中古で買って読んでここにレビューを上げていないのを含めるともう少し読んでます)。ここ最近、休日にほとんど新書を読めていないために例年に比べてやや少ない冊数になりましたが、その中から面白かったを5冊紹介したいと思います。 哲学入門 (ちくま新書) 戸田山 和久 筑摩書房 2014-03-05 売り上げランキング : 28327 Amazonで詳しく見る by G-Tools 今年は1位を何にするか迷いましたが、最終的にはこのかなと。 「哲学入門」というと、ソクラテスやカントなどの大哲学者の思想を解説したか、あるいは「私が死んだら世界は終わるのか?」、「なぜ人を殺してはいけな いのか?」といった、多くの人が一度は感じたであろう疑問から、読者を哲学的思考に誘う、といったスタイルが思い浮かびますが

  • 2013年の新書 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

    12月20 2013年の新書 カテゴリ:その他 今年は62冊の新書を読みました(ここでとり上げていない古で買ったものとかを合わせるともう少し読んでいるのですが)。年内にあと1、2冊は読めそうな気もしますが、11月発売分のものまで読み終わったところで、「2013年の新書」といきたいと思います。 経済大陸アフリカ (中公新書) 平野 克己 中央公論新社 2013-01-24 売り上げランキング : 6603 Amazonで詳しく見る by G-Tools 文句なしのNo.1。 21世紀になって1980年代以来の経済停滞から抜けだしたアフリカの成長の要因とそこに大きくコミットする中国の姿を描きつつ、農業生産や製造業が育たないアフリカ経済の欠点、国際援助の歴史とその有効性、非効率な政府を飛び越えて活躍する企業など、アフリカを通して現在の グローバル経済の姿が見えるようになっています。従来の経済学

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  • 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

    8月9 杉谷和哉『日の政策はなぜ機能しないのか』(光文社新書) 6点 カテゴリ:政治・経済6点 副題は「EBPMの導入と課題」。近年話題になっている「EBPM=Evidence-Based Policy Making」を取り扱ったになります。 EBPMというと経済学者からの発言が目立っていますが、書の著者は公共政策学を専門としており、今までの日の政策評価などからの連続性を見ているところが書の特徴と言えるでしょう。 「EBPM」というと今までの政治を変える魔法の杖のように思われている部分もありますが、当然ながら以前から似たようなことは行われていたわけです。 書はそうしたEPBMの「古さ」と「新しさ」に目配りをしながら、EPBMの可能性と限界を見定めようとしています。  全体的にわかりやすく、EBPMの長所と難しさがわかるような構成になっており、この問題の入門書としてはいいと思いま

  • 秋田茂『イギリス帝国の歴史』(中公新書) 9点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

    6月28 秋田茂『イギリス帝国の歴史』(中公新書) 9点 カテゴリ:歴史・宗教9点 近年、よく耳にする「グローバルヒストリー」という言葉。その「グローバルヒストリー」の研究成果と面白さを18〜20世紀のイギリス帝国を題材にして味わわせてくれる。 サブタイトルは「アジアから考える」となっていて、一応、イギリスとアジア(特にインド)との関わりが分析の中心にはなっていますが、それ以外の地域への目配りもかなりのもので、18〜20世紀のイギリス帝国、そして世界の歴史をダイナミックに描き出しています。 ご存知のように、イギリスは18世紀の植民地戦争でフランスに勝利し、19世紀には世界のヘゲモニーを握るわけですが、当然ながらイギリスが過去から一貫して世界帝国を目指してその版図を広げていったわけではありません。 イギリスの海外進出の背景にはグローバルな貿易がありますし、またイギリスの力の中には軍事力だけ

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    hmmm 2012/07/05
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