岡本海渡君の自宅アパートには友人らから多くの花が供えられていた=10年2月、東京都江戸川区(中村昌史撮影) 自宅近くを歩くと、この道を孫と連れだって買い物へ出かけた午後を思いだす。バスに乗れば並んで腰かけた場所を探し、涙がこみ上げてくる。東京都江戸川区で今年1月、虐待後に死亡した区立小1年、岡本海渡(かいと)君=当時(7)=の母方の祖母(52)は事件から半年になる今も、孫の面影を追う日々を過ごしている。 「小学校へ上がるまで私の家で預かっていたので、海渡が使ったおもちゃやミットとボールが家にある。思い出がたくさん詰まっている。今も毎日、事件のことばかり考えている」 海渡君は1月23日夜、継父の健二被告(31)=強盗傷害容疑で再逮捕=と実母(23)による暴行後に転倒、意識を失って吐いたものをのどに詰まらせ、肺炎により翌朝死亡した。両親は傷害致死罪に問われ、裁判員裁判が9月28日から開かれる。