ブックマーク / scheherazade.hatenablog.com (30)

  • 君が生きる大河。君と生きた大河。~おんな城主直虎・総評~ - シェヘラザードの本棚

    直虎が終わってちょっとほわほわしています。 もともと脚家の森下さんの作品に出てくる登場人物達はキャラクター的でありながら、どこか生々しさ残していて、 当に彼らの人生を共に追体験するような感覚に捕らわれるんですよね。 物語の人物でありながら「生きている!」という実存感をかんじさせられる。 だからその主人公たる直虎の一生を一年近く共に見守ってきて、その虚脱感がすごいです。 正直な所、頭の中すっからかんな状態ですが、とりとめとなく最後の感想を書いていこうと思います。 <負の鎖は溶かし、正の連鎖を紡ぎなおす> まず私がこのドラマの初期の方に感じていた事が以下にあります。 12話まで視聴して、このドラマはどんなドラマかと聞かれれば、 「土着の狭い共同体と『家』。濃い血縁関係が生み出す閉塞感。それらのしがらみがあるゆえに、乱世というパラダイムシフトについていけない者たち。そして・・・」 といったと

    君が生きる大河。君と生きた大河。~おんな城主直虎・総評~ - シェヘラザードの本棚
    hydrangea2602
    hydrangea2602 2017/12/27
    ひりひり痛かった… 自分のことのように嬉しかった… ひとつひとつを体感できた稀有な大河ドラマに改めて感謝… リコさんのブログに感謝…
  • 世界の片隅は、されど中心でもありて~おんな城主直虎41話~ - シェヘラザードの本棚

    先週、今週とバタバタした中で風邪をひいてしまい記事の更新が遅れました。 ちょっとでも体調を崩すとこうやって遅れがでるというのに、長丁場である大河に携わる製作陣の皆様には頭が下がる思いです。 なんにでもいえることですが、体力が一番大事なのだと身につまされます。 読んでくださる方も季節の変わり目なので寒くなってきますので、ご自愛ください。 さてお布団をかぶりながらの録虎でしたが、上昇志向の強い万千代にひやひや、どきどきさせられっぱなしでした。 彼は自身が小姓に上がるために「後任指導」という課題をクリアしなければなりません。 といっても、どちらが指導していたかというと・・・というもので。 後の井伊直政といえど、今はまだ若き万千代。いろんな人たちが後ろで見守りながら彼を支えている様子がまだまだかいまみえました。 そしてそんな「人」の中で組織の歯車の一つとして働くならば、「根回し」も必要となってくる

    世界の片隅は、されど中心でもありて~おんな城主直虎41話~ - シェヘラザードの本棚
    hydrangea2602
    hydrangea2602 2017/10/23
    ”徳川家の組織改革の一部” 何代も続く江戸幕府を作った家康の人事、組織を積み上げていく巧みさにノブ、万千代を絡ませるのが面白く、家康側、万千代側と両方の立場でドラマを観れる醍醐味が。
  • 君の君のための、君のためだけではない命~おんな城主直虎40話~ - シェヘラザードの本棚

    いよいよ万千代の徳川奮闘記が始まりました。 草履番からのスタートで順風満帆とはいきませんが、多くの人たちが彼に愛情をむけ、見守っている。 それは万千代の実父の直親が井伊谷に帰ってきた時に、おじじ様を含め、多くの人たちが彼こそが希望なのだと眼差しを向けたように。 今は、見てるこちら側が万千代の命にどれだけの意味が込められているかを噛みしめている。 つまり、ようやく私達はあのときのおじじさま達と同じ気持ちにたっているというわけではないでしょうか。 ちょっと感傷的な文章となりましたが、今回のお話は出世物語としてのおもしろさがありつつも、どこか戦後日の復興やあり方について触れているようなとこもあると感じました。 権力をもたない権威者である直虎や、自分達が参加してない前の世代への戦に対して悪く言われる万千代・万福の事など。 もちろん、それは私のあくまで個人的に感じた事なので戯言として受け流してくだ

    君の君のための、君のためだけではない命~おんな城主直虎40話~ - シェヘラザードの本棚
    hydrangea2602
    hydrangea2602 2017/10/17
    ”直虎は万千代の意思を否定できないし、万千代は知らずして過去の直虎を肯定してます” 「知らずして」というところが肝で、18話の台詞が効いてくるなんて、直虎(政次)ー虎松の結びつきの強さに痺れます
  • 笑うコダヌキ、泣くコトラ~おんな城主直虎39話~ - シェヘラザードの本棚

    直親の13回忌がとりおこなわれるという事で、虎松が6年ぶりに井伊谷に帰ってきました。 この虎松が物語の新たな風となり吹き込んできました。。 風というには荒々しく、嵐のような男の子でしたが。 基的にはここからは彼の出世の物語が話の中でたちあがってくのでわくわく感がすごいです。 かといって虎松から直虎へ主人公が変わったわけではなく、おそらく直虎にとって次世代への「継承」の物語の始まり。 今までは直虎と政次の共犯関係のW主人公でしたが、(←私の中では)虎松の場合、ある種の師弟関係のようなそれになるような気がします。 大人である直虎が「井伊」を今はまだ子供である彼に渡し、そして受け取っていく。 その序章が始まりました。 <レベル0からのスタート> 虎松ですが、彼の中には直虎が言うように確かに色んな人がいる。 絵のうまさは奥山家の祖父から、あきらめぬ猪精神は直虎。策を立て動くところは政次。 情の激

    笑うコダヌキ、泣くコトラ~おんな城主直虎39話~ - シェヘラザードの本棚
    hydrangea2602
    hydrangea2602 2017/10/07
    ”村社会の「生贄」的存在だった彼は、その因果を反転して「英雄」となった。それが、虎松や亥之助達の心に生き続けている” なるほど…彼らにとって英雄なんだなぁ…虎松の中にいる但馬の存在の大きさを思う。
  • 龍は天に、虎は地に~おんな城主直虎38回~ - シェヘラザードの本棚

    武田軍の侵攻に開戦しようとする近藤に対し、直虎は兵力となる百姓達を隠すことで戦を避けようとしました。 兵糧となるべ物さえもっていかれた信玄はもちろんおかんむり。そこで彼は井伊谷の里のすべてを焼き払ってしまいました。 以前、直虎の事を 英雄でもない平凡な人達だからこそマクロの動きが読めず翻弄され、愛する人々を奪われていき、その荒野を走り続けていかない主人公 といってましたが、まさしくこの回はその荒野に立つ者(直虎)と、そこを荒野にした者(信玄)の生き様が書かれていたように思います。 そこにフォーカスをあてつつ感想を書いていきたいと思います。 <甲斐の太陽・井伊谷の月> 南渓と信玄の腹黒コンビの会話が実におもしろい。 南渓は信玄と謁見した時、まるで武田ががきてくれた事が井伊にとって救いの神かのようにいっていました。 近藤とは対立しているので、これを機に井伊家の再興をと南渓は申し出てます。 も

    龍は天に、虎は地に~おんな城主直虎38回~ - シェヘラザードの本棚
    hydrangea2602
    hydrangea2602 2017/10/01
    直虎をあるべきところに龍が戻してあげた…本当に。今回は、お互いを縛ることなくそれぞれが思う通りに生きること、それぞれの優先順位を尊重する事への制作の最大級の賛辞を感じました。
  • 瓦礫の下の消えない灯火~おんな城主直虎35話~ - シェヘラザードの本棚

    二回連続でハードな展開だったので、今回は寂しさと穏やかさと笑いと明日への希望がつまってました。 ただし、このあとお怒りモードの武田が来るんですが。いやぁ、ほんとあのお方はいつ来るのでしょうか? さすがに次回はないとは思いますけど次々回あたり怪しいですね。 そんな現実からは今は、今だけは目をそらしてつらつら書いていこうと思います。 <厭離穢土はまだ遠い> 堀江城を無事に攻め落とした徳川サイド。逃げ出す民まで殺す苛烈なやり方をとった酒井に家康は、諸手を挙げて喜ぶ事ができません。 ですが酒井の言う通り、これにて後方を気にすることなく早々と掛川を攻め入る事が出来ます。 それがわかっている家康だから酒井の事を責める事が出来ないんですよね。 犠牲になる者達に対して心を痛める彼は、どこか「情」に走りやすい可能性をもっていながら実際にはそうならない。 家康は家臣に担ぎ上げられている状況とは言え、戦をそこそ

    瓦礫の下の消えない灯火~おんな城主直虎35話~ - シェヘラザードの本棚
    hydrangea2602
    hydrangea2602 2017/09/08
    今迄戦国時代は勝者敗者がクリアで勝った者のみ生き残れると思っていた。「生きる事は、ことさら戦の中では加害者であり続ける事や被害者であり続ける事を許してはくれない」このドラマに貫かれる考えは此れに尽きる
  • そして虎は、荒野を駆ける~おんな城主直虎34話~ - シェヘラザードの本棚

    政次の死でショックを受けたので、次回からはしばらく明るい話でよろしくな! と、思ってたところで今回のお話。しかも武田はまだ来てないという。 ちょっとこっちは精神的にぼろぼろで頭が正常に働いてない中、感想をまとめていきたいと思います。 <政次が死なないIFの世界に迷い込む直虎> 政次の磔は見てるこちらもつらかったですが当の直虎は精神は想像以上に壊れており短期の記憶喪失になっていました。 その壊れ方が痛ましくて、南渓達もどう接していいか手探り状態。 政次を死んだ事と直虎自身で殺した事の重みに耐えきれず、心が防衛反応をとっている状態です。 それでも直虎は政次の存在自体を記憶から消したわけではない。 存在そのものをなかった事には出来ず、近藤達が乗り込む前の時間軸に戻ってしまいました。 直虎のこの心の在り方は、どうすれば政次が死ななかったのか?という後悔の裏返しであると思います。 政次死亡の回避ルー

    そして虎は、荒野を駆ける~おんな城主直虎34話~ - シェヘラザードの本棚
    hydrangea2602
    hydrangea2602 2017/09/01
    そうか…堀川城は生贄、スケープゴートだったんだ…手早く周りを降参させるために力を見せつける必要があったと。直虎と気賀と政次と周りの大国との繋がりと業。その絡め方がめちゃくちゃエグいです…
  • なかない鶴は呪詛を吐きながら愛を鳴く~おんな城主直虎33話~ - シェヘラザードの本棚

    今回、言葉になりませんでした。言葉にできないほどの感情があふれてきて、ちゃんとブログに感想をおとしこめるか、自信がないまま書こうとしています。 なにを書こうと、自分が受け止めた気持ち以上の事をちゃんと言語化できてはいないと思います。 だけどこの瞬間を見るために自分はこのドラマを見てきたんだ、その事への圧倒的感謝をこめて書き記していきたいと思います。 <為政者の正しさ> 徳川勢を井伊谷へ迎え入れようとした時、彼らに向かって矢が放たれました。 それは腹に一物抱えた近藤が仕掛けた罠でした。 直虎は井伊や小野の者達の仕業ではないと主張しますが、近藤は政次が仕組んだことではないかと疑問を投げかけます。 この場では「矢が徳川側に放たれた。」という事実だけが明確で、誰がやったのかという証拠は提示されない。 ゆえにこの議題は水掛け論になってしまいます。 この両者の言い合い、何を思い出すかと言えば「罪と罰」

    なかない鶴は呪詛を吐きながら愛を鳴く~おんな城主直虎33話~ - シェヘラザードの本棚
    hydrangea2602
    hydrangea2602 2017/08/25
    12話で「裏切るつもりで裏切ったのか」と聞いた直虎が、政次のその選択を肯定し、更に今回同じ選択をすることで政次の抱えてきた罪悪感を解放し、一人にしない… すごい。本当にその通りだと思います。
  • 因果は巡れど、愛する事をやめず人は歩む~おんな城主直虎32話~ - シェヘラザードの本棚

    駿河へは武田が、遠江へは武田が侵攻することによって今川家が窮地に立たされています。 乱世の火花が散る中で、昨日の敵は今日の友の名の通り、誰が敵でも味方でもおかしくありません。 一体、何が、どの道が正しい答えなのかわからない中で己で考え歩んでいかなくてはならない。 直虎は生き残るため、今川の目付をとらえ城を開ける代わりに臣下に加えてくれる頼みをしたためた書状を徳川に送ります。 裏切り、下剋上なぞ生きるために上等の世界で、「忠義」の化身たる政次の最後の仕事が見え始めた今回の話でした。 というか完全にそれの前半のお話なので、よっぽど次回とまとめてやろうかと思いましたが軽く書きとめときたいと思います。 いろいろとつらいものがありますが…。 <今川チルドレン> 飛ぶ鳥を落とす勢いの信玄に手も足もでない氏真。武田への寝返りも多数、出ており追い詰められていきます。 氏真は能力が圧倒的に足らない中、信玄と

    因果は巡れど、愛する事をやめず人は歩む~おんな城主直虎32話~ - シェヘラザードの本棚
    hydrangea2602
    hydrangea2602 2017/08/18
    ”お互いそのまま自分の人生にフィードバックされてるんです” 恋愛によらずに相手の人生を認める間柄。こんな関係をずっと見てこられたしあわせを噛みしめつつ
  • 未来という名の希望のため 今、生きている君を殺そう。~おんな城主直虎31話~ - シェヘラザードの本棚

    「徳政令」を受け入れる事で、国を潰して国を生かす決心していた直虎。 そのプロットを実行しようとした時、思いもよらぬ役者たちがその舞台に躍り出ました。 直虎が窮地に立たされていると知って、徳政令撤回の申し出でる瀬戸・祝田村の百姓達。 この時点では、政次と直虎はお互いの意思を確認しあってありません。おそらく相手はこう思っているだろう?という不確かな状況の中で動いていかなくてはなりません。 それしか道はないとはいえ、これからの道は選択によっては死に直結するもの。政治家としては決断を下すのが難しい所です。彼女の肩には井伊の民と未来が、かかっている。 その荷を背負いつつも、どこまで政次を信じていいのかという揺らぎがあったのではないでしょうか? しかし政次の「信じろ。」という言葉によって、確信はできないが自分と同じ決心があると思った彼女は徳政令を受け入れました。 今回は、直虎・政次の二人の絆が試される

    未来という名の希望のため 今、生きている君を殺そう。~おんな城主直虎31話~ - シェヘラザードの本棚
    hydrangea2602
    hydrangea2602 2017/08/09
    直虎の複雑な感情。政次の闇。龍雲丸とのやり取り。頷きました。政次が直親を切ったときの感情を直虎がやっと理解したんだと思います。ここまでの極限状況でようやく政次の苦しみを理解できる帰着のさせ方に脱帽です
  • そうせざるをえない者達~おんな城主直虎30話~ - シェヘラザードの本棚

    とうとう武田との全面戦争が回避されなくなってきました。今川家はそのための準備にとりかかることに。 直虎は徳川との密約を水面下で結びつつ、氏真に命じられるまま戦備えをします。 その氏真に呼び出された方久は、気賀に蔵を建てる事と認める代わりに井伊家の取り潰しに手を貸すように言われます。 徳政令を出すことによって。 今回からつらい展開が続くようです。誰もが必死がゆえになりふりかまわなくなってくる。 直虎は卑しさを出さずとも生きていける世を経済によって成そうとこれまでしてきましたが、マクロの情勢がそれを許さない。 その夢みたいな理想郷に至るためにはこれから多くの犠牲が伴う。未来のそれのために、今、目の前にいる誰かが傷ついていかなければならない。 そのための序章が始まりました。 <裏切っても十字架を背負わない> さて、方久は今川が井伊家を取り潰すための片棒を担がされました。 なぜかといえば今川は、武

    そうせざるをえない者達~おんな城主直虎30話~ - シェヘラザードの本棚
    hydrangea2602
    hydrangea2602 2017/08/05
    ”天国に行く最も有効な方法は、地獄へ行く道を熟知することである” あああ、地獄。今川も井伊も自分が生き残る為に一生懸命だからこそ死力を尽くし、その過程で直虎が失うことで得るものがあると知りつつ、辛い…
  • 黄昏せまる宗主国。その主として。~おんな城主直虎28話~ - シェヘラザードの本棚

    前回までは基的に井伊家の内政にじっくり取り組んできたお話に、フォーカスが置かれていました。 これまでも極めてミクロなテーマの中から戦国というマクロがちらちら見えてましたが、今川家の目線を通すことで魑魅魍魎がうごめくマクロの厳しさを突きつけてくるものであったと思います。 そしてミクロな努力やそこに生きる人々の積み重ねがこれまであったからこそ、マクロの為政者が判断を下す事の重みがあらわれていたのが今回であったと思います。 まぁ、なんといっても寿佳尼と直虎のやりとりに心奪われたのですが、まずは氏真の成長について触れていきたいと思います。 <共にあればこそ> 自信や能力がないまま、当主といっても自分をお飾りのように感じている氏真。彼と寿桂尼の能力差がこれでもかと描写されていました。 武田義信の自害が伝えられたとき、氏真は感情のままに怒りを爆発させましたが、寿佳尼はノータイムで解事実的な対応として

    黄昏せまる宗主国。その主として。~おんな城主直虎28話~ - シェヘラザードの本棚
    hydrangea2602
    hydrangea2602 2017/07/21
    ”直虎の「本質」を一番に理解して共感してたのは彼女”それに尽きる回でした。理知と理性、情/非情を兼ね備える寿桂尼の恐れ。事細かに考察されているのを読むと、頭の中のドロドロがサラサラと溶けていくようです
  • 不完全な世界の不完全な人々~愛すべき娘たち~ - シェヘラザードの本棚

    よしながふみさんの織り成す女性たちの5つの短編集。 久々に読み直すと、やっぱり傑作。 「きのう何べた?」みたいな日常ものも、「大奥」のような歴史のifストーリーも、どちらも深い人間への理解と眼差しが感じられます。 上手くいえないけどバランスがすごくいい。ミクロの人間関係にフォーカスしたものを書くと、彼らだけのある種の「閉じた世界」が発生するけど、それをやさしく突き放すような俯瞰した目線が作品にある。 この「やさしく」ってとこがポイントで、この世界とそこに生きる人々の不完全さに、諦観があるにも関わらず、それを抱きしめて歩いていくような感じがして。 きのう何べた?(1) (モーニングコミックス) 作者: よしながふみ 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2015/07/24 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 大奥 1 (ジェッツコミックス) 作者: よしながふみ

    不完全な世界の不完全な人々~愛すべき娘たち~ - シェヘラザードの本棚
    hydrangea2602
    hydrangea2602 2017/07/18
    「分かってるのと 許せるのと 愛せるのとは みんな違うよ。」この視点からの作者の愛が沁みます… ほんと読んで良かったです。教えて頂きありがとうございます。
  • 父親たちの亡霊とどう向き合う?~おんな城主直虎27話~ - シェヘラザードの本棚

    方久から気賀の城主になってはどうかと提案された直虎。 ちょうどいいタイミングで、中村屋が町衆を連れ、大沢ではなく直虎にその気賀を治めてほしいとの申し出がありました。 できるものならやってみたい直虎のようですが、さすがに現実問題、超えていけないハードルが多くて一晩考えました。 というか、政次に相談した直虎さん。徳政令の時のように安請け合いしていた頃を考えると、彼女自身の成長と政次との信頼関係もここまできたんだなと感慨深くなりました。 しかしなんといっても方久さん! 直虎を気賀の城主にすべく、銭の犬こと方久が己の才覚を最大限に利用して奔走していました。 今回はもはや直虎スピンオフ「銭の犬・瀬戸方久」といっても過言ではない!というのは私が方久びいきだからでしょうか。 しかしながら、やはり戦国の世、井伊が内部で気賀の管理者を狙っている間にも、武田などの外交関係が厳しくなってきているようです。 そん

    父親たちの亡霊とどう向き合う?~おんな城主直虎27話~ - シェヘラザードの本棚
    hydrangea2602
    hydrangea2602 2017/07/13
    ”あの幼い日々に逃げ落ちた自分と城を守るために死んでいった父を救っていったのではないのか” 納得です。幼かった彼は力もなく父をおいて逃げることしかできなかった罪悪感を、築城で少しでも払拭できたらいいな
  • ルール(不自由)のなかで自由でいるには~おんな城主直虎26話~ - シェヘラザードの本棚

    材木を駿府に持ち込む事で今川家からの謀反の疑いを晴らす事に成功した直虎。 これに対してご都合主義だと思う方もいるかもしれませんが、私はどちらかというと非常に日的な会議のまわり方を感じました。 意見に正当性や合理性を求められてるというより、それに従った方がいい空気感や雰囲気づくりが求められているところがです。 「忠義」という抽象的なものを求められたときに、「材木を届けさせる。」井伊家は今川家を裏切るわけないよね。ここまでする井伊を無下には扱わないよね。という空気を作っていたと思います。 そして、ここまでの空気を会議の場で伝染させるには、始まる前の「根回し」が重要な役目を担っていました。 この「根回し」は、今回の気賀での話に繋がっていたと思います。 とはいってもこうもはやく謀反の疑いが晴れたのは、その気賀に城を建てるという内情があったからでした。 井伊家を許す事は今川家の懐の広さアピールでも

    ルール(不自由)のなかで自由でいるには~おんな城主直虎26話~ - シェヘラザードの本棚
    hydrangea2602
    hydrangea2602 2017/07/05
    ”そんな武家に縛られたくないという思いをもとに、「自由」な生きかたをしている彼が、一番「武家」のルールに縛られてる” これ!!!!目からウロコでした… ああ、そうだよ…
  • 見えない忠義を求める氏真と見えない絆で立ち向かう直虎~おんな城主直虎25話~ - シェヘラザードの本棚

    井伊の材木の売り先が決まり喜びに沸く直虎達の一方で、「塩留」という経済封鎖を使い武田を追い込もうとする氏真。 他国との情勢がだいぶ不安定になりつつあるようです。 今回はそんな暗雲立ち込める今川家に、思わぬ形で巻き込まれる井伊家が、どのようにその危機を脱していくのかが描かれていました。 <国防と経済> 前回、方久さんが「塩留」に対して商魂魂を燃やしてました。まさに「上に政策あれば、下に対策あり」ですが、「上」である今川家はたまったもんじゃないでしょう。 取り締まりのおかげで効果がではじめたようですが、商売人達は自由に商いができないとみるや、さっさと気賀に店そのものを、移していっているようです。 商売人のこの「対策」に対して、今川も「政策」として自治で治める気賀に城を置き、影響力を強めようとします。まさにいたちごっこなんですよね。 この話自体は次回に持ち越ししそうですが、個人的にすごく気になり

    見えない忠義を求める氏真と見えない絆で立ち向かう直虎~おんな城主直虎25話~ - シェヘラザードの本棚
    hydrangea2602
    hydrangea2602 2017/06/27
    ひたすらマクロ、俯瞰視線で言語化するリコさんの文章、尊い… ありがとう。僥倖。
  • 少女の夢はもう見ない。だから、さよならを君に。~おんな城主直虎24話~ - シェヘラザードの本棚

    直虎のヘッドハンティングを「がらじゃねぇ!」といって断った龍雲丸。 そんな井伊谷での小さな動きが起こっている中で、外交では今川氏真が武田家の「経済制裁」として「塩留」を行い、国力を取り戻さんとするために、「縁談政策」を推し進めてきました。 その一方、松平家康も織田信長から「武田と組むとか、ないよな?わかってるよな?!」という圧を受け、むしろ織田との縁談を強制的に持ち込まれました。 「縁談」というある意味では、新たな人との出会いといえる話の中に「別れ」というせつなくほろ苦い成分があったと言えます。 他にもいろいろ気になるポイントがあるんで、先にそちらから書いていきます。 <塩でもって敵を制す> 現代でも「塩」は生活必需品でありますが、当時の比ではないと想像します。調味料という面だけではなくだけではなく、冷蔵庫もない時代なので、料を保存するための役割を担っていたのではないのでしょうか? その

    少女の夢はもう見ない。だから、さよならを君に。~おんな城主直虎24話~ - シェヘラザードの本棚
    hydrangea2602
    hydrangea2602 2017/06/21
    方久はすごい!たくましいとはこの人のためにある言葉かと。今回塩の重要性について、考える機会になりました。闇塩という言葉がそれを示してますね。
  • 井伊谷カルテットwith N (六左衛門・直之・方久・プラス南渓和尚編)直虎を囲む魅力的な脇役達について - シェヘラザードの本棚

    今週は直虎感想記事が、一日ずれ込んだので土曜日の方の更新はなしにしようかと思ったんですが、ちょうどいい機会なんでさらっと短く、直虎の脇役陣について超個人的な印象を書いていきたいと思います。 タイトルが、「井伊谷カルテット」っていうなら四人だと一人足らなくない?と考えると思いますが、ここに来なら政次が入ります。 だけど、さんざん彼についてはあーだこーだいつもいってるので今回はいったんお休みということで。 <奥山六左衛門・柔らかく、強く> 武芸が得意ではなく、政次から睨みを聞かせれれると、猛禽類に目をつけられた子ウサギのような反応をする気弱なとこがありますが、大好きです!! そんな自分にコンプレックスを抱いているようですが、私は彼の質は「柔らかさ」にあると思っています。 何が言いたいかというと、いったん相手の事を受け止めて考えられる人なんですよね。強くはねつける事は絶対にしないというか。

    井伊谷カルテットwith N (六左衛門・直之・方久・プラス南渓和尚編)直虎を囲む魅力的な脇役達について - シェヘラザードの本棚
    hydrangea2602
    hydrangea2602 2017/06/18
    全てに頷いてます。傍観者で中途半端。軽そうに見えて深い。最近南渓和尚の言葉集めをしてます…
  • 水面下で動く男達の秘めた感情~おんな城主直虎23話~ - シェヘラザードの本棚

    飲みにケーションwith龍雲党で井伊の住民達との親睦を深めた翌日、近藤さんが何者かによって尊盗まれたと直虎のもとにやってきました。 彼の言い分によると、犯人は龍雲丸達ではないかという事でした。引き渡しを要求された直虎ですがなんとか逃がそうと画策します。 彼女のその意思に添おうとする二人の策士家(南渓と政次)が表と裏で活躍しました。 今回の話はいつも以上に「行間読み」が必要だったというか、人によって捉え方が千差万別だろうなと感じました。 龍雲丸がなぜ、家臣となるのを断ったのか? なつはどういう心構えで政次の味方をしているのか? 政次の真意がわかった直虎が政次のシーンでの二人の感情はどういうものか? 彼らが実際にどう思ったのかを視聴者の想像力にゆだねた作りでした。 まさに、直虎がいった「揺らいだ旗が見る者の心によってか変わる」例えのように。 〈奔放な龍雲丸の冷静な判断?〉 これらを全部、推測

    水面下で動く男達の秘めた感情~おんな城主直虎23話~ - シェヘラザードの本棚
    hydrangea2602
    hydrangea2602 2017/06/15
    ”時が起こす奇跡” まさに!!!直盛自身が欲しかったものが次世代で叶えられるっていう事に胸が熱くなります。そして補完関係というのもその通りだと。割れ鍋に綴蓋、でとても”らしい”。
  • 「内(うち)」と「外(そと)」の断絶を越えて~おんな城主直虎22話~ - シェヘラザードの本棚

    前回、直虎は龍雲丸の一党を木材伐採のためにヘッドハンティングしてきました。今回はそんな外部の彼らが、井伊谷の定住民といざこざを巻き起こします。 今までもミクロの部分にフォーカスを置いている大河だと述べてきましたが、この話でマクロの波に飲み込まれる弱小国家・井伊を強く感じてしまい個人的には非常に つらさを感じるものとなりました。 <技能持ちの流浪の民と定住民にある溝> 前に人材集めの時には、同じ農民同士もあってか、とりわけ問題は起きてないようでした。ですが今回は違います。 賭博場を開いたり、酒の盗難や村娘へのストーカー被害疑惑が浮上しました。 これ、いってしまえば全部誤解からくるものだったのですが、現代でもおこる根深い「差別」の構造からきています。 なぜ差別が起こるのかといえば、自分と「異なるもの」への恐れが根的にあって、ここでは、定住者(一般人)と非定住者(無法者)という形としてあらわれ

    「内(うち)」と「外(そと)」の断絶を越えて~おんな城主直虎22話~ - シェヘラザードの本棚
    hydrangea2602
    hydrangea2602 2017/06/07
    ”「外」にいる彼らにそれでも手を差し伸べようとする直虎さんは、確かに眩しい存在だなぁ。” ほんと、ここですよね。直虎に惹かれてしまうのみんな。