オホーツク海の冬の風物、流氷。その海をイメージした真っ青なルーに、流氷を思わせる白いルーであえた鶏肉が浮かぶ。その名も「流氷カリー」。生みの親は、流氷に魅せられたインド人のコックだ。 北海道北見市に本店があるインド料理店「クリシュナ」。流氷カリーはそこの看板メニューだ。値段はナンとサラダが付いて1千円。2006年からここで働く料理長のマクスード・アラムさん(38)が生み出した。 きっかけは7年前にさかのぼる。「七色のカレーを作らないか」。経営者の市野純夫さん(73)から思いがけない提案を受けた。インドでは七色は縁起がいいと好まれる。自慢の一品を作りたかった市野さんがこれに着目。アラムさんも斬新なアイデアに興奮した。七色のカレーのうち、赤い「夕陽(ゆうひ)のカリー」や黄色い「スモークカリー」、紫の「バイオレットカリー」など他の色は料理できたが、青に最も苦戦した。