その世界への迫り方も非常にバラエティ豊か。文章に着目した『アリスのことば学 – 不思議の国のプリズム』(稲木昭子・沖田知子/大阪大学出版会)、アリス好きのクリエイター30人が参加した『不思議の国のアリス ビジュアルファンBOOK』(マイナビ)、ユリイカ臨時増刊号の『150年目の「不思議の国のアリス」』(青土社)などなど、様々なタイプの本が発売されている。 が、しかし。「ぶっちゃけどんなストーリーか忘れかけている」「ディズニーのアニメは見た記憶があるけど、本は読んだことがない」みたいな人も実は多いのではないだろうか。そんなアリス初心者・再入門者たちにもオススメしたいのが、新訳の『不思議の国のアリス』(ルイス・キャロル:著、高山宏:訳、佐々木マキ:絵/亜紀書房)だ。 なんといっても注目は、佐々木マキの挿絵。佐々木マキといえば、種を植えて育った木にブタがたわわに実ったり(『ぶたのたね』)、岩山か