カラオケでアトムを歌って涙ぐむ中高年がいると聞いたことがあります。 子ども時代、青春時代を懐かしむ気持ちなのでしょうが、アトムという存在そのものが、哀しみと言うしかない何かを負っていることを、現代文明を生きる私たちが心のどこかで感じているからではないでしょうか。(詩人・谷川俊太郎) ♪TVアニメ版の第一話:オープニング主題歌に歌詞がついていないバージョン これは“漫画の神様”と呼ばれた手塚治虫の代表作『鉄腕アトム』が、1963年にTVアニメ版として登場した当時の話である。 初回放送には歌詞が間に合わずに伴奏だけのバージョンが流れてており、第10話くらいから歌詞付きの歌に差し替えられたというから驚きだ。 昭和生まれの世代ならば、このメロディーを“耳にしたことがない人はいない”といっても過言ではないだろう。 そんな歴史的名曲の作詞を手掛けた詩人、翻訳家、絵本作家、脚本家の谷川俊太郎は、当時のこ
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