“悪行と善行の観念を越えたところに平原が広がる。我々はそこで会おう” ジャラール・ウッディーン・ルーミー(13世紀ペルシャの神秘主義詩人) ジョン・ハッセルに電話インタヴューしたのはちょうど1年前の昨年7月だった。 実はそのとき、もしかしたらこれが最後の取材になるんじゃないか……という予感があった。彼の問答には、明晰さのなかにも随所で精神的衰弱が垣間見られたから。取材3ヶ月前の同年4月には、ジョン・ハッセルの生活サポートのためのファンドが立ち上がったことをブライアン・イーノがツイートしていたが、当時ハッセルは、骨折治療とコロナ禍での健康不安により生活が困窮していたという。昨年の新作『Seeing Through Sound』により、新たなリスナーを増やしていただけに、彼の逝去はあまりにも残念だ。 件のインタヴュー記事では『Seeing Through Sound』のことだけでなく、過去のキ
