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  • Vガンダムにおけるファラ・グリフォンの位置付け

    昨年「機動戦士Vガンダム」を見返していた。 一番気になったのが、ファラ・グリフォンの存在の重さ。 理由は、まず後半での劇中の強さだ。 後半でとても強くなったウッソと互角以上に渡り合う強さ。 特にザンネック(ザンネックキャノン)は凶悪だった。 ファラが戦死するキッカケになった マーベットのお腹の赤ちゃんの存在に気を取られなければ、 逆にウッソはファラにやられていた可能性がある。 ファラとカテジナの強さを比べてみる。 カテジナはシュラク隊の面々は葬っているが、 ウッソとの真正面の対決ではファラより強さを示せていない印象を持つ。 カテジナはネネカ隊やコックピットから降りてウッソを直接刺殺する奇襲で、 ウッソに優位に立とうとするが、MS戦においてはファラの強さに軍配が上がる。 次にこれがより大切だが、ファラはVガンダムを象徴するキャラであること。 特にファラが死ぬ47話「女たちの戦場」のファラとウ

    Vガンダムにおけるファラ・グリフォンの位置付け
    hyougen
    hyougen 2019/02/21
  • 逆襲のシャアとF91に存在する四人の富野由悠季

    はじめに 「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」と「機動戦士ガンダム F91」には共通点がある。 それは作中に富野由悠季監督自身を投影する存在が 二人(計四人)いて、大きく物語に関わる点である。 逆襲のシャアではシャアとアムロの二人。 F91ではカロッゾ・ロナ(鉄仮面)とシオ・フェアチャイルドの二人が該当する。 この各二組の関係と富野監督の関係について考えてみたい。 逆襲のシャアの二人の富野由悠季-シャアとアムロ まず逆襲のシャアの二人について。 アクシズを落とし人類を粛清しようとする、性急的なシャア。 一方で人類にシャアほど絶望はしていない、漸進的なアムロ。 富野監督にとってシャアは自身の理想の投影であり、アムロは現実の投影である。 そしてアクシズを巡り、理想のシャアと現実のアムロの二人が せめぎ合うのが、逆襲のシャアの根的な構造だ。 まず富野監督の理想はシャアを見る限り、組織のトップにな

    逆襲のシャアとF91に存在する四人の富野由悠季
  • 「鉄血のオルフェンズ」は「心が叫びたがってるんだ」であるーオルフェンズの総評

    「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」25話「鉄華団」を視聴。 ※サブタイトルが出る直前のこの絵が美しい。この絵を見せたいがために、 オルフェンズの物語を帰納法的に作ってきたのではないだろうか。 1話の感想記事で、長井龍雪・岡田麿里コンビの映画になぞらえて 「ガンダムが叫びたがってるんだ」と書いたのだが、 案外、1期最終話はここさけではないかと思った。 その理由として アイン、ガエリオ、マクギリスが、 そしてクーデリア、オルガ、そして三日月のみんなの 「心が叫びたがってるんだ」といえるように 思いの丈を吐き出した展開になったからだ。 アインはクランク二尉への思いから、 クランク二尉を殺した三日月とバルバトスとクーデリアに対し 自らの正義心の全てを三日月に叫ぶ。 そんなアインの叫びを三日月は悉く否定するのだが… ガエリオは自身を裏切ったマクギリスに対し カルタのマクギリスへの思いと、マクギ

    「鉄血のオルフェンズ」は「心が叫びたがってるんだ」であるーオルフェンズの総評
  • 新しい世界に出会う冒険の感動ードラゴンクエストⅡ・Ⅲ、ファイナルファンタジーⅢ

    昨日以下のようなツイートをした。 ドラクエⅢのギアガの大穴に飛び込んだ先がアレフガルドだった展開には痺れるものがある。FFⅢでエンタープライズを入手して、浮遊大陸から飛びだった先の世界が全て海に沈んでいたのにも痺れた。 — おはぎ (@ohagi2334) 2015, 10月 14 参考画像:ドラゴンクエストⅢ 参考画像:ファイナルファンタジーⅢ ドラクエⅢのギアガの大穴に落ちた後に広がる世界が、アレフガルドだったこと。 ファイナルファンタジーⅢの浮遊大陸を出た後の世界が、水没していたこと。 この二つは私のゲーム体験の中でも忘れられない瞬間であり、 ゲームから世界の広さと(疑似体験ながら)冒険の面白さを教えてくれた。 ドラクエⅢは、Ⅰ・Ⅱとプレイしてきて、アレフガルドという土地と名前を 覚えているからこそ訪れた世界がアレフガルドというところに驚く。 Ⅲはプレイしていると、Ⅲの舞台はアレフガ

    新しい世界に出会う冒険の感動ードラゴンクエストⅡ・Ⅲ、ファイナルファンタジーⅢ
    hyougen
    hyougen 2015/10/16
  • 「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」1話「鉄と血と」感想-「ガンダムが叫びたがっているんだ」

    長井龍雪と岡田麿里の「あの花」「ここさけ」コンビの新作ガンダム。 田中将賀さんも参加が自然なような気もするが事情があるのだろう。 「鉄と血と」というサブタイトル、 地球圏に反旗を翻す少年達の戦いな世界観をみると、 ガンダムより「太陽の牙ダグラム」を彷彿とさせる。 1話は独立運動のお姫様クーデリアを守るために 主人公・三日月達がいる警備会社が請負ったら、 別の組織が襲いピンチになったところを、 三日月がガンダムを起動させて敵MSを倒して終わる。 Aパートでキャラクターと世界情勢を説明を尽くして語り、 Bパートでガンダムにとって大切なメカアクションを描く王道的構成だ。 サブタイ通りな血と鉄の汗臭い世界にみえつつも、 良い意味で脱臭され、爽やかに感じさせるバランス感覚もあった。 火星の底辺に生きる若者たちの反抗の中で 純真な少年三日月はどう動くのか。 寡黙で能動的な姿は見せないが、秘めたる思いは

    「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」1話「鉄と血と」感想-「ガンダムが叫びたがっているんだ」
  • 高坂麗奈の圧倒的存在感「響け! ユーフォニアム」8話

    「響け!ユーフォニアム」8話は、 高坂麗奈の圧倒的存在感が際立った。 まず久美子と一緒に山に登る時の、高坂さんが髪を縛るシーン。 シュシュを、口を使って作る描写、 髪を縛る時の腋の動きが素晴らしい。 特に右脇の影の部分もきちんと描かれていて、 見ているだけで高坂さんのエロスが伝わってくる。 また久美子の顔を指でなぞる時の上唇あたりのプルルン感。 このプルルン感は久美子によるものだが、 人の顔に指を当てる行為をする、高坂さんの方がキレキレである。 自分は他の人間とは違う、 「特別」になりたいと久美子に告白した時の 高坂さんの髪の色トレス(線画の部分に色をつける)の美しさ。 この色トレスの処理を施す事で、 高坂さんが特別な存在のように見えるのは私だけか。 最後にワンピースのひるがえり。 服の生地の柔らかさを感じずにはいられない。 アニメーションの快楽性が凝縮された瞬間だ。 これらの描写によって

    高坂麗奈の圧倒的存在感「響け! ユーフォニアム」8話
  • アニメ関係のおすすめの本を12冊紹介する

    はじめに 監督やアニメーターといったアニメ制作者が アニメについて書いたの中で、お勧めしたいを12冊紹介したい。 比較的入手しやすそうなものから選んでみた。 ① 富野由悠季著:映像の原則 改訂版 (キネマ旬報ムック) アニメ監督富野由悠季が、映像には原則があるという観点から、 映像作品制作に必要な基礎と応用を実践的に解説。 ② スタジオ雄(著・編集):PLUS MADHOUSE 4 りんたろう アニメ監督りんたろうへの10時間以上のロングインタビュー、 杉井ギサブロー、川尻善昭等のインタビューを通してりんたろうを紐解く一冊。 ③ アニメーション監督 出崎統の世界 ---「人間」を描き続けた映像の魔術師 大山 くまお・林 信行(編集) アニメ監督出崎統をインタビューや関係者の証言を通して作品と実像に迫る1冊。 出崎統が描いた貸漫画も掲載。 ④ 杉井ギサブロー著:アニメと生命と放浪と ~

    アニメ関係のおすすめの本を12冊紹介する
  • 「ドラゴンクエストⅣ」は愛する者を失った二人の復讐の物語である。

    ファミコンソフト「ドラゴンクエストⅣ」が今年の2月11日で発売25周年となった。 今回はドラゴンクエストⅣ(以下ドラクエⅣ)の物語について語ってみたい。 1章から4章まで ドラクエⅣは復讐の物語だったと思う。 作は5章構成だが、1章から3章までは、復讐の色は見えてこない。 1章のライアンでは、戦士としての職責を描き 2章のアリーナ達では、おてんば姫の好奇心を描き 3章のトルネコでは、商人の探究心と商才を描く。 キャラクターの特徴に沿った物語展開を行っている。 そして4章から復讐の物語としての作が色濃くなる。 4章では踊り子マーニャと占い師ミネアの姉妹は、父親を殺したバルザックを探し やがてバルザックの所在を突き止め、一矢報いる。 しかしバルザックの後ろ盾であるキングレオに返り討ちをされる。 そして姉妹は国外へ落ち延びる。姉妹の復讐は失敗に終わる。 5章前半 そんな姉妹の失敗を受けて5章

    「ドラゴンクエストⅣ」は愛する者を失った二人の復讐の物語である。
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    hyougen 2015/02/14
  • 「ハピネスチャージプリキュア!」32話の山内重保演出のおさらい

    はじめに 「ハピネスチャージプリキュア!32話」の演出は山内重保さん。 演出があるアニメは面白いと思わせる内容だった。 特にいおなが相手からの告白に戸惑いながらも、 自分の気持ちを整理・確認して、相手に想いを伝える流れが良かったし、 恋愛に対するナマケルダの含蓄ある発言と態度が ナマケルダのカッコイイ一面を描き出していたのも良かった。 山内さんは「まじかる☆タルるートくん」「花より男子」「おジャ魔女どれみ♯」 といった過去のニチアサ作品のシリーズディレクターでもあり、 他のニチアサ作品にも演出として参加された東映アニメに縁深い演出家。 そんな今回の山内重保さんの演出をおさらいしてみたい。 ①フェティッシュな脚の描写 山内さんといえば脚だ。 (ハピネスチャージプリキュア!32話) (「kanon(東映アニメーション製作)」8話) ローアングル気味で脚をフェティッシュに見せる描写。 山内さんが

    「ハピネスチャージプリキュア!」32話の山内重保演出のおさらい
  • 「少女革命ウテナ」における七実回の重要性。あるいは緊張と緩和。

    「少女革命ウテナ」の七実回、もしくはギャグ回の重要性について語ってみたい。 私が「少女革命ウテナ」の面白さにのめり込んだのは 16話の「七実のカウベル」から。 16話は七実が良いファッションだと思い、自分の首にカウベルを付ける展開。 そしてカウベルに引っ張られるように七実は牛化し、結局はウテナに倒される。 比喩ではなく七実が牛になってしまうのだから恐れ入る話だ。 「身なりは人を変える」という風刺的な意味合いを突きつけた話。 それ以上に「少女革命ウテナ」は時と場合によっては キャラクターが牛にもなれる揺るがぬ事実を突きつけた。 ウテナの発想の自由さと飛躍性に強く心を惹かれた。 緊張と緩和、あるいはシリアスとギャグ ウテナは、キャラクターの感情・内面を鋭く描く。 一方で七実が活躍する「カレーなるハイトリップ」「七実のカウベル」「七実の卵」は 発想の飛躍がすさまじいギャグものだ。 ウテナはシリア

    「少女革命ウテナ」における七実回の重要性。あるいは緊張と緩和。
  • 石森達幸さんの訃報を受けて-ドバ・アジバと富野由悠季と二人の娘

    声優の石森達幸さんがお亡くなりになられた。享年81歳。 ミスター味っ子のブラボーおじさん。 喰霊-零-の諫山幽。 機動戦士Zガンダムのフランクリン・ビダン。 他にも様々な役が振り返られるだろう。 そんな私にとって一番思い入れ深い石森さんの役は、 伝説巨神イデオンのドバ・アジバ総司令だろう。 後継の男子が生まれず、その悔しみを抱え生きてきたドバ総司令。 長女のハルルは、男として生まれれば英傑になっていた事に対する悔しみ。 次女のカララは異星人の男に取られ、さらに子を産む事を知った事への悔しみ。 父親としてのエゴとこのエゴによってバッフグランの業をも背負ったドバ総司令。 そんなドバ総司令は石森さんの演技によって成り立ってきたキャラクターだ。 そしてイデオン劇場版-発動篇におけるドバ総司令とハルルのやり取りが特に印象的だ。 妹カララを殺してきたハルルが、父ドバに女としての弱さを一瞬さらけ出した瞬

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    hyougen
    hyougen 2013/06/10
  • ヱヴァンゲリヲン新劇場版Qはガキシンジを完璧に描いた大傑作!(感想)

    ヱヴァンゲリオンQを見てきた。 ずっとテンションが高鳴りっぱなし。 私は序や破では、今までと違ったエヴァを見られたことで 「おぉこれが新しいエヴァかぁ」と思ったのに対し、 今回のQは「これが私の望んでいたエヴァ」に満ち溢れていた。 それは結局はシンジ君が徹底的にダメに描かれていた事に集約される。 以下ネタバレ感想。 変わった世界と取り残されたシンジ 起き上がったシンジ。 綾波を助けて気絶して一日・数日ぐらいしか経っていないと思っていたのだろう。 しかし実際には状況は激変し、14年間の時が刻まれていた事を彼は知らなかった。 シンジが綾波を助けるためにガフの扉を開いたことでサードインパクトが発生。 世界は荒廃し、大半の人類は死んだようだ。 ミサト達ネルフの若い層は、マリが属していた組織と呼応してゲンドウに反乱を起こした。 一方でゲンドウ・冬月は相変わらず計画を進めている。 以上が14年間の歳月

    ヱヴァンゲリヲン新劇場版Qはガキシンジを完璧に描いた大傑作!(感想)
  • 聖闘士星矢Ω 1話「荒木伸吾さんから馬越嘉彦さんへ~物語も作品作りも世代交代する話」(感想)

    感想 聖闘士星矢、当に久しぶりのTVシリーズです。 リアルの友人たちと話すと、自然に星矢の話題になるぐらい この作品は影響力が半端無いですね。 さて、このアニメを語る時に欠かせないのは、 アニメーター荒木伸吾さんの存在です。 ドラゴンボールに前田実さんがいたように。 北斗の拳で羽山淳一さんがいたように。 荒木さんの画があったからこそ、星矢のアニメは面白かった。 荒木さんといえば美麗な画がまず注目されますが、 キャラに独特のポージングを取らせることや、 ダメージ表現、エフェクトのカッコよさなど 何をやらせても、上手いしカッコイイアニメーターさんだと思います。 荒木さんは昨年の12月にご逝去されましたが、 今回のΩ1話では、盟友の姫野美智さんと一緒に原画としてクレジットされています。 さすがにこのクレジットはテンション上がりまくりましたね。 荒木さんが担当したと思われる個所。 そして荒木さん

    聖闘士星矢Ω 1話「荒木伸吾さんから馬越嘉彦さんへ~物語も作品作りも世代交代する話」(感想)
    hyougen
    hyougen 2012/04/02
  • 「輪るピングドラム」の最終回をセーラームーンR劇場版、セーラームーンS、少女革命ウテナを交えながら振り返る。

    全ては「愛してる」。この為にあった! ついに「輪るピングドラム」最終回。 今回の記事は最後の冠葉と晶馬の描写について セーラームーンR劇場版とセーラームーンS 少女革命ウテナを交えて考えてみました。 生存戦略しましょうか? 感想 輪るピングドラムの結末とセーラームーンR劇場版と セーラームーンSと少女革命ウテナの類似点 輪るピングドラムの最終話を掻い摘んで説明するなら 冠葉が命を懸けて陽毬を救い、晶馬が苹果の呪文を唱える代償を引き受ける事で 二人は新しい世界から消え、関係者からの記憶からも無くなりました。 世界を乗り換えるというのはこういう事なのでしょう。 それでも最後のシーンは、冠葉と晶馬に似たような少年が 高倉家の前を歩き去るシーンがあり、彼らはペンギンを連れてどこかへ向かいました。 冠葉・晶馬の二人にも救いがあった事を指し示すこれらの描写。 ツイッターではこれらの描写について「幾原監

    「輪るピングドラム」の最終回をセーラームーンR劇場版、セーラームーンS、少女革命ウテナを交えながら振り返る。
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