福岡市西区の小戸公園で2008年9月、小学1年の長男(当時6歳)を殺害したとして、殺人罪に問われた同区の無職富石薫被告(36)の初公判が3日午前、福岡地裁(松下潔裁判長)で始まった。富石被告は殺害を認めたが、弁護側は「犯行時は(抗うつ剤の副作用などで)心神喪失状態だった」として無罪を主張した。 起訴状では、富石被告は08年9月18日、小戸公園の身体障害者用トイレで、ビニールホースで長男の弘輝(こうき)君の首を絞めて殺害したとされる。 冒頭陳述で、検察側は「被告と弘輝君がそれぞれ抱えていた病気や障害が、犯行の背景にあった」と動機を指摘。「犯行直前に弘輝君にののしられ、憤まんを爆発させて殺害した。責任能力はある」と主張した。 弁護側は「犯行時は断片的な記憶しかなく、何をしたか分からない状態だった」と主張。事件の約1か月前から服用していた抗うつ剤に攻撃性が表れるといった副作用が報告されていること