■事件の悪質性 重視/証拠厳選に不満も 広汎性発達障害とされた少年に対し、岡山地裁は懲役5年以上10年以下の実刑判決を選択した。JR岡山駅で県職員假谷(かり・や)国明さん(当時38)がホームから突き落とされて死亡した事件。誰もが被害者となりうる駅ホームでの無差別殺人について、犯罪の悪質性や遺族感情を重視した判決と言える。(北上田剛、保田達哉、西山良太) 裁判では事実関係に争いはなく、少年刑務所で刑罰を与えるのか、少年院で発達障害の治療を優先するのか、が大きな争点だった。 これら検察側、弁護側双方の主張は、少年の処遇に関して意見は異なるが、「事件を社会としてどう受け止め、いかに再発防止につなげるのか」との考え方で共通する部分もある。 「無関係の被害者を殺害した少年に刑罰を科さなければ、社会が納得できない」とする検察側に対し、少年の弁護側は少年の保護を訴えた上で、「いずれ社会復