白塗りの化粧に、古びた着物姿の住民が練り歩く奇習「水しぎ」が24日、岩手県住田町の世田米地区で行われ、仮装した約20人が学校や企業を回った。 江戸時代、宿場町として栄えた同地域で、ぼやを見つけた物乞いの人たちが鍋や釜をたたいて騒ぎ、難を逃れたとの言い伝えにちなんだ風習。火の用心に加え、後に無病息災を祈るようになったとされる。 町立世田米小学校では、仮装した地元住民らが、灯油の空き缶などをばちでたたきながら、「ミッサイナー(見てください)、ミッサイナ」と声を上げながら教室や職員室を回った。6年生の女子(12)は「お祭りの時みたいに気持ちが盛り上がるし、楽しくなるの」と話していた。