昨日は今年初の自分の能の稽古日でした。 3月4日の粟谷能の会『景清』を、息子・尚生(たかお)共々、我が師・友枝昭世師から教えていただきました。 『景清』のシテ(主人公)は藤原(伊藤とも)悪七兵衛景清です。 平家滅亡後も東大寺の大仏供養を参詣する源頼朝を暗殺しようとしますが果たせず、いったんは逃げるものの、遂に捕らえられて日向(宮崎県)の国へ流されてしまいます。 「源氏の栄える世など見たくない!」と自ら両眼をえぐり盲目となり乞食のような余生を送る景清。 自ら両眼を潰すほどの強情な気性で、しかも零落した老武者を演じるには身体を動きの型もさることながら、心中を演じる謡が重要です。 伝承される謡と型を教えていただき、ただいま稽古に励んでいます。 ここで楽屋裏話をご紹介します。 能『景清』の最後は、九州の宮崎で再会した親子が、景清自ら昔語りを聞かせ、いよいよ人丸を故郷の鎌倉へ帰す別れの場面となります