『シリーズ・哲学のエッセンス フッサール 心は世界にどうつながっているのか』(門脇俊介,2008,NHK出版) 定価1000円(税別)という安い本であり、薄い本でもある。既に第3刷と良く売れているらしい。大学かなんかのテキストにでも使用されているのだろうか。 この本の特色は、フッサールの原著からの引用が翻訳にせよ一切されていない点であり、ユニークである。著者の門脇氏は、東京大学文学部哲学科から同大の博士課程を出て、同大学の教養学部の教授をされている。正に、エリートである。 頭が非常に良い著者である。フッサールの難解な理論を完全に消化しきって、それの必要最小限のエッセンスの部分を再構成して、この本で提供してくれている。 居酒屋を出てから紀伊国屋で立ち読み後、買い求めて、阪急電車を降りる頃には、読了していた。 フッサールは、「現象学」の創始者である。つまり、デカルト以来、客観的事実・絶対的真理