来年は明治維新から150年。本書は諸外国が日本の明治維新をどのように捉えてきたかということを歴史資料から紹介し、その世界史的な意味を解説したものです。 中国革命を目指した孫文が明治維新を手本にしていたことは有名ですが、1917年のロシア革命から、23年のトルコ革命、戦後のエジプト近代化などに大きな影響を与え、世界のパラダイムを一変させたことで、現在もなお海外で盛んな研究がなされていることを紹介。 加えて、日本近代化の波がどのようにアジア、そして世界へと拡散し、思想から科学技術までを変えていったのかを論証しています。 同時に、多くの国々が明治維新をまねして改革・革命運動を起こしてきたものの、日本のように小国がわずか30年ほどで一気に近代化、列強に伍(ご)するほど大国化した例はないと指摘。その理由として、神道の習合と産霊(むすひ)によって仏教や儒教など外来思想を巧みに取り入れながら、日本にとっ