憎悪と憤怒でその内面を形成している浮浪者ガーリックは、ある日、ゴミ箱から拾ったハンバーガーを口にした。だがそれに使用されていた馬肉には、宇宙の彼方から飛来して来た超生命体・メドゥーサが含まれていた。メドゥーサは、種族で集合意識を保有していない人類という種に驚愕し、ガーリックの脳に語りかけ使役し、人類に共同意識を形成させ、然る後人類という種を乗っ取ろうとする……。 以上の《本筋》が割合としては半分を占め、合間に、他の地球人類数組のエピソードが様々に挟まれる。この《エピソードの並列》は、人類の意識は個々人でてんでバラバラであるという当たり前の事実をしっかり示す役割を担っており、集合意識の顕現以降彼らの言動が明瞭に変化しているという点で、ストーリーの転換点を明瞭に打ち出している。もちろん、本書でスタージョンが描く集合意識の何たるかを個別具体的に表現する手段にもなっている。 ここで注目したいのは、