哀れなるものたち (ハヤカワepiブック・プラネット) 作者: アラスター・グレイ,高橋和久出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2008/01/26メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 44回この商品を含むブログ (36件) を見る 小説家アラスター・グレイが入手した古書『スコットランドの一公衆衛生官の若き日を彩るいくつかの挿話』には、19世紀後半にの医師の自伝という体裁を整えていた。だがその内容たるや……。著者の親友である医学者が、身投げした若い美女の肉体を救うべく、彼女の赤ん坊の脳を移植するという奇跡的な手術をしたというのだ。著者はその蘇生した美女に恋をし、結婚を申し込むが……。膨大な資料を検証した結果、アラスター・グレイはこの書物の内容が真実であると確信し、出版を決意したという。 『ラナーク』同様、終局的には《愛》を扱う物語である。一人(?)の女を巡る物語なのだから、より