円安が止まらない。今記事を書いている時点で142円/ドルだが、朝起きたらもっと上を目指しそうだ。 アメリカなんか行かないから関係ないってのはIT業界に属している限り、勘違いも甚だしい。システムを作るときにどうしても輸入製品が必要になる。サーバー、ネットワーク機器、ソフトウェア、どこを取ってもアメリカ製品ばかりだ。もともと円安基調で価格改定の連続だったところに、アメリカ自体のインフレが重なり、価格がもう大変なことになっている。 そう、現在進行形である。 今、ベンダーから見積を取ってみるといい。まず、見積が届くのが遅くなっている。値付けするほうも、毎日1円2円平気で動く為替相場に神経質になっているし、半導体不足で製品の入手も困難になっている。それに合わせて製品のドル建ての価格値上げ改定が相次いでいる。 どれぐらい昔と値段が違うかと言うと、同じ性能なのに、数年前の2倍以上の価格を提示されるという
大昔、クラウドだって言い張った単なる仮想環境を作ったおぼえがあるけど、全然スケールするイメージが付かなかった。 一番の問題は、個別の顧客に対していろいろと要件を聴きすぎたということだった。顧客ごとにユニークに設定を入れ込んでいくと、どんどん設定が複雑になっていく。これ十社ならいいけど百社入ったらアウトかな、なんて感覚があった。 AWSなど、スケールするクラウドは個別の要件なんて聞かないで、どの顧客にも同じ機能を提供するという姿勢を貫いた。そもそも顧客と直接コミュニケーションをせず、Webサイトを通じたコミュニケーションが基本だった。スケールする前提を守るには必須だと思う。 これが、「地場のデータセンターは、直接お客様にお伺いし、Face to Faceをするのがバリューです」なんて言っちゃったものだから、クラウドではなくなる。 そうなると、顧客の声が強くなりすぎて、あれやこれや拡張しちゃう
シリコンバレーで会議に出席する機会があれば、自分より前に座っているほかの出席者が、パソコンやタブレットを開いてどんな「内職」をしているか、ちょっと見渡してみると面白い。数年前はツイッター系のアプリを開いている人が多かったが、最近は、あずき色の枠で縁取られたサイトやアプリを開いている人を多く見かけるはずだ。 それが、噂のスラック(Slack)である。どう噂かというと、売り上げマルチプル(企業評価額が年間売り上げ額の何倍か)という「ベンチャーの人気指標」で、前回に紹介した三冠王、米配車アプリ大手のウーバーテクノロジーズに迫っており、この2社がほかをダントツに引き離している、ということだ(出所はこちら)。 スラックが提供している社名と同名の企業向けビジネスチャット「スラック」は、メッセージベースのチーム・コラボレーション・ツールである。カタカナばかりで申し訳ないが、漢字にしたらますます意味不明に
まねきTV事件およびロクラクII事件の最高裁判決(以下、「まねきTV事件判決」)直後から1ヶ月近く米国に出張した。ネットとテレビの融合状況を目の当たりにして、最高裁での逆転勝訴は日本のテレビ局にとっても不幸だったのではという観を強くした。その解説をする前に、判決を読んですぐに抱いた懸念を紹介する。権利者よりの日本の著作権法は国産検索エンジンほぼ全滅の結果をもたらした。同じ現象がクラウド・コンピューティング(以下、「クラウド」)でも再現するのではないかとの懸念である。 著作権法は著作物の利用と保護のバランスを図ることを目的とした法律である。著作物の利用には著作権者の許諾を要求して保護する一方、許諾がなくても使用できる権利制限規定を設けて利用に配意している。わが国の著作権法はこの権利制限規定を個別に列挙しているが、米国は使用する目的がフェア(公正)であれば、許諾なしの使用を認める包括的権利制限
軍事や政治の面で、あるいは他の産業やアメリカ全体でもそうなのかどうかはわからない。でも、このところ、ITやネットの世界では、日本をめぐる世界の潮目が少し変わってきているような気がしている。ま、あくまでもシリコンバレーから見た話、でしかないけれど。 相変わらず、「ジャパン・パ(pa)ッシング」ではある。日本が「牙城」と思っていたゲーム業界ですら、日本の存在感の低下が著しいそうだ。いろいろな「中の人」から、その話を聞いている。だいぶ前(2006年)にアニメとマンガの話を書いたときだったか、「ゲームは違う」というコメントをいただいたと記憶しているが、ついにゲームまで国内向け優先のパラダイス鎖国化しているという話をあちこちで聞く。子供・ファミリー向けにはWiiとDSが相変わらず強いが、全体としてはXboxとiPhoneとオンライン・ゲームとソーシャル・ゲームが勢力を伸ばしつつある中で、日本のゲーム
Googleでさえデータセンター投資を抑制する局面に、緊急経済対策でクラウドがバズっているらしく頗る評判が悪い。新たにデータセンターを建造して最先端の省電力サーバーを置く話が進んでいるようだが、何を動かすための施設かサッパリ分からない。PUE1.2のエコ・データセンターを目指すとか、どこの仮想化技術を採用とか、空疎なバズワードばかり飛び交う。新たに建物を建て不要不急のサーバーを大量に稼働さることの何処がエコか。初期費用は補正予算で賄うにせよ、景気が回復してからも高い運用費を垂れ流し、稼働率が上がらないシナリオは避けるべきだ。 Google (GOOG) isn’t abandoning the data center projects where it has slowed or halted construction due to the slowing economy, the com
グーグル日本法人の社長に辻野晃一郎氏が就任するが、先日、現社長で Google 本社副社長である村上憲郎氏による Google の人材採用・育成についての講演を聴く機会があった。日本のコンピュータ・サイエンス教育・人材育成については、僕も共鳴する部分が多かったので、その要旨を簡単にまとめておく。 よく知られているように Google のミッション・理念は「世界中の情報を整理して世界中の人が使えるようにする」ことである。ユーザには無償でサービスを提供し、収入は広告から得る。これを支えるのが「技術」。シンプルにこのミッションとビジネスモデルが全世界にいる2万人の従業員に共有されていることが Google の強みである。 Google は世界最大規模のコンピューティング基盤を有し、その上でさまざまなコンピュータ・サイエンス(computer science)の技術開発を行っている。自然言語処理や
クラウドコンピューティングやSaaSなど、新しいコンピューティングの最前線がWebの世界で進展する一方で、「時代遅れ」と言われて久しいメインフレームなどもまだまだ現役で活躍している。「ITは大きな曲がり角に来ているのではないか? このままで日本のITは大丈夫なのか?」――遠藤諭がガートナー ジャパン バイス プレジデントの亦賀忠明氏に聞いた。世界とニッポンが直面するITの最前線を全4回で掲載する。 突きつけられた言葉「ITなんて要らない」 ――2005年の11月にメインフレームで動いていた東証のシステムがトラブルで取引停止を引き起こし、さまざまな報道がなされました。また、2007年の5月に京都銀行がメインフレームを全廃したことがニュースになっていました。 私はPCを主軸にコンピュータ業界を見てたわけですが、メインフレームがまだそんなに動いてること自体が驚きだったんですよ。1990年代にはす
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