検索結果のトップレコードに変化が見られ、また日本語のレコードが増えたものの、依然として上位の3レコードは中国語のままである。 米国の大学は、日本研究の拠点として長く知日派を排出する揺籃となってきたと筆者は考える。しかし、米国のWSDにおいて、日本語での検索にも関わらず、検索結果に日本の学術情報が出現しなかったり(7)、他のアジア諸国のコンテンツに埋もれるという現状が続けば、日本研究の将来は相当危ういものになるだろう。とくに日本研究の中心となる、日本語の人文社会系の学術誌の電子化が、遅々として進んでいない現状を踏まえると(8)、その事態は非常に深刻である。 5.おわりに WSDに日本発のコンテンツの収録を推し進めることは、日本国内のエンドユーザに対するサービスの向上にも直結する、重要な課題であるのみならず、世界的な学術情報流通の枠組みのなかでも大きな意味を持つ。本稿では、WSDにおける日本語