東南海・南海地震など津波を伴う巨大地震の発生メカニズムを解明するため、紀伊半島沖の熊野灘で海底掘削を行っていた海洋研究開発機構の地球深部探査船「ちきゅう」が、大規模な活断層がある海溝「南海トラフ」で初めて堆積(たいせき)岩と基盤岩の境にある枕状玄武岩溶岩の回収に成功し12日、入港中の新宮港(和歌山県新宮市)で報道関係者に地質試料が公開された。 陸側のプレート(岩板)の下に海側のフィリピン海プレートが沈み込んだ水深4千メートル級の南海トラフには、巨大地震を引き起こす地震発生帯があり、ちきゅうは今年5月から「第2ステージ」と呼ばれる2段階目の探査を行っていた。 同機構によると、9月1日から開始した第3次研究航海で、海底下540メートル付近から赤色泥岩と玄武岩が接触した枕状玄武岩溶岩を回収。約2千万年前に噴出したものとみられ、「堆積岩である赤色泥岩との接触部分が完全な形で回収されるのは非常に珍し