国際宇宙ステーションに長期滞在中の野口聡一飛行士が、電気掃除機を使って「きぼう」の掃除をしているところ=12月26日、米航空宇宙局提供 【ワシントン=勝田敏彦】日本が約20年、約5500億円かけて開発し、昨年完成した国際宇宙ステーション(ISS)の実験棟「きぼう」がフル活用できない恐れが出てきた。「きぼう」の利用権の46.7%を持つ米国の予算不足などで、実験場所が余る可能性があるためだ。米議会の政府監査院(GAO)が昨年12月末に公表した報告書で明らかになった。 「きぼう」の船内実験室には、冷蔵庫ほどの大きさの実験装置(ラック)を置く場所が12カ所用意され、無重力環境を生かした生命科学や物質科学などの実験をすることになっている。また宇宙空間にさらされた船外実験プラットホームでも、高真空での実験が10カ所でできる。 米国は「きぼう」に電力や通信などを供給する見返りに、実験場所の約半分を