マイナーキー、いわゆる短調の基音の5度から上のテトラコードは曖昧この上ない。短調という音楽素材はやはりちょっと特殊で、12音の半音階があって成立するものであるし、カデンツアも長調をカスタマイズしたようなところがある。でもこの曖昧さが作曲家にとっての選択肢の広さにもつながる。インプロヴィゼーションも同じだ。基音から短5度の音はドリアンの6度がフラットしてきてできた音で、トニックの時の内声には使えないけど、短調らしさを出す重要な音だ。長6度の音は短3度の音とトライトーンを形成するけど、5度と6度の落ち着きがあるのでトニックとしてジャズサウンドの重要な役割を果たしている。短7度の音はもちろんコード進行の分かりやすいパーツとして存在している。長7度は導音でもあるけどトニックの内声として独特の響きを提供する。まあこれらの音は和声の素材としては使い道がある程度決まってはいるけど半音階的な旋律としての用
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