世論形成に大きな影響を及ぼしてきた総合雑誌・論壇誌。だが、近年は空洞化が叫ばれて久しい。一方で、双方向性を生かした討論の場としてブログが注目されるなど、ネット上に新たな言論空間が生まれている。いま「論」の現場はどうなっているのか。(泉田友紀) 「1日2万件」。「正論」の大島信三編集長(64)は、総合雑誌で初めて「編集長ブログ」を設けた昨年11月、開設直後のアクセス数に目を見張った。 「一気にワーッときた感じ。編集長に直接、即座に意見を伝えられるという点が関心を呼んだのだろう」と振り返る。 ブログは、簡単に更新できる日記形式のホームページ。日本では2003年にサービスが始まって以降急速に伸び、総務省のまとめでは、2006年3月現在のブログサービス利用者は868万人にのぼる。 ブログの流行は世界的潮流で、米国では、9・11事件後の細かな情報提供で火がつき、韓国ではブログの議論が、現大統領の誕生