東京大学と大阪大学らの研究グループは6月20日、独マックスプランク固体研究所およびイスラエル・ワイツマン科学研究所との共同研究で、真性半導体である二硫化タングステン(WS2)のナノチューブに巨大な光起電力効果を発見したと発表した。新しい量子力学的原理に基づく発電材料、光検出器への応用につながると期待される。 従来の太陽電池の動作原理には、p-n接合などの界面で発生する光起電力効果が用いられている。光起電力効果を誘起するには反転対称性のない物質を用いる必要があり、p-n接合も界面を挟んで異なる物質がつながっているため反転対称性が破れているとみなすことができる。 一方、界面を形成していなくても結晶構造そのものに反転対称性が破れていれば光起電力が発生する可能性があり、この現象はバルク光起電力効果(BPVE)と呼ばれる。近年、シフト電流と呼ばれる量子力学的原理に基づく機構の提案や、理論研究により低