中国ではいまだに「土壌汚染対策法」が立法化されず、国土の重金属汚染は野放し状態で極めて深刻な状況にある。このため、カドミウム汚染によるイタイイタイ病や水銀汚染による水俣病に類する公害病が全国で多発していることは疑いのない事実である。こうした現状を打破するべく、中国は今年からスタートする「第12次5カ年計画」(2011~15年)で重金属汚染の防止と管理に真剣に取り組もうとしている。 2011年2月21日付の『中国環境報』は、2月18日に北京で中国政府“環境保護部”の『重金属汚染総合防止管理「第12次5カ年計画」企画』(以下『企画』)に関するテレビ会議が開催されたと報じた。この会議に出席した環境保護部部長の周生賢は、積極的かつ粘り強く重金属汚染の防止と管理に取り組み、国民大衆の利益、特に児童の健康を守り、社会の調和と安定を確保しなければならないと述べ、2010年7月に環境保護局が国務院に提出し