油井から採取されたままの石油を原油と呼ぶ。原油は、炭化水素を主成分として、微量の硫黄、窒素、酸素、金属などを含む天然物である。原油と各種燃料油、潤滑油、ワックス、アスファルト等の石油製品をまとめて、広義には「石油」と総称する。 原油の物理的、化学的性状は産出地によって相当の差異があるが、原油の組成(質量%)は一般に次の範囲であり、大半が炭素と水素とから成っている。 炭素:83~87%、水素:11~14%、硫黄:5%以下、窒素:0.4%以下、酸素:0.5%以下、金属:0.5%以下 炭素と水素以外の元素は、量的には炭素、水素に比べると少ないが、石油製品の品質に大きな影響を及ぼす。例えば、硫黄を含む化合物は、燃焼によって亜硫酸ガスとなって大気環境を悪化させ、また、石油製品の劣化、装置の腐食、触媒被毒などを起こす原因になることがある。重金属類は、プラントの触媒毒になることがある。これらの元素を除去