米麻薬取締局(DEA)の本部にフェンタニルで命を落とした人々の写真が掲げられている。名前と年齢が記載され、十代も多い=2022年7月、米バージニア州アーリントン【AFP時事】 強力な麻薬フェンタニル 2023年3月9日、米国のジョー・バイデン大統領が「Unity Agenda(統一アジェンダ)」の一環として、麻薬中毒対策として過去最大規模となる461億ドル(約6兆円)の予算案を発表した。というのも、米国では近年、麻薬中毒が深刻な状況にあり、特にフェンタニルとして知られる鎮痛剤系の麻薬が多くの米国人の命を奪ってきたからだ。 米国で今や国家的課題になっているフェンタニル中毒だが、そのまん延の裏には、近年米国と経済や安全保障などで緊張関係が続く中国の存在がある。米国では今、中国が現代の「アヘン戦争」を仕掛けているのではないかという物騒な声も出ている。 米中のもう一つの対立の原因とも言われているフ