福島の経験から見る新型コロナ 「議論の二極化」と「報道依存」 分断と不信を煽る極端な主張ばかりがまかり通るのは何故なのか 越智小枝 東京慈恵会医科大学講師 CoVID-19(新型コロナウイルス)のパンデミックに世界中が立ち向かう中、日本では「有識者」たちが自説を通すために極端な発言ばかりを繰り返している。最近の報道を見てそう感じるのは私だけではないだろう。そしてその有様に、原子力発電所事故後の福島を連想する方も多いのではないだろうか。 災害後の福島に多少関わった人間として今私が特に既視感を覚えるのは、CoVID-19に見る「議論の二極化」と「報道依存」だ。 甲状腺検査に見た「二極化」 福島第一原子力発電所事故の後に福島県の子どもを対象に行われた甲状腺検査においては、100人余りの子どもが甲状腺がんと診断された。この甲状腺がんが放射能の影響によるものかどうか、ということが、専門家たちの間で大
3月14日、安倍晋三首相が新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)の対応について記者会見を開き、「感染者は増加傾向だが、急激なペースで増加する諸外国に比べて増加のスピードを抑えられている」と現状認識を述べました。 これに対して、ツイッターで様々な反応がありました。その中には、「感染者数が諸外国に比べて持ちこたえているのは検査数が少ないだけだ」として、実態を暴くためにも検査数を増やさなくてはいけないとする主張が散見されました。確かに安倍政権下では、公文書の改ざんや廃棄が平然と行われてきました。感染者数の隠蔽があると考えるのも無理はありません。 さらに、3月17日にはWHOのテドロス事務局長が会見で、「すべての国に訴えたい。検査、検査、検査だ。疑わしい例すべてに対してだ」と述べ、感染予防対策に検査の徹底が「まだ十分ではない」と指摘しました。これによって、ネットでは「検査推進派」が勢いづいた
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く