今月は年金制度をゆるめに理解しようという話をしてきました。年金制度の全体像はどういうものなのかを考えるほうが本質的な理解にとっては有効です。今月最後はそうした「適当な年金理解のビジョン」をまとめてみます。年金制度については年金保養所の赤字運営の問題、年金記録不備の問題、運用環境の悪化などが相次いで顕在化し、年金不信キャンペーンが巻き起こりました。年金保険料の負担増や厚生年金の受給開始年齢の6
今月は年金制度をゆるめに理解しようという話をしてきました。年金制度の全体像はどういうものなのかを考えるほうが本質的な理解にとっては有効です。今月最後はそうした「適当な年金理解のビジョン」をまとめてみます。年金制度については年金保養所の赤字運営の問題、年金記録不備の問題、運用環境の悪化などが相次いで顕在化し、年金不信キャンペーンが巻き起こりました。年金保険料の負担増や厚生年金の受給開始年齢の6
年間60万人が被害に? 今月中に労災保険制度の原則がなくなる? 今年12月、国の労災保険制度の設立以来からの原則をひっくり返してしまう重大な運用の変更が、社会にほとんど知られないまま実施されようとしている。 近年、労働災害の認定件数は高止まりしており、2021年度における労災保険給付の新規決定は実に約60万人に及んでいる。だが国に認定されている労災は、実際に発生している被害全体の一部に過ぎない。特に過労死や過労自死は、労働災害として認められるまでのハードルが非常に高く、脳・心臓疾患や精神疾患の被害者・遺族たちは、長時間労働やパワハラの証拠集め、短くても半年以上にわたる審査期間中の生活不安など、幾つもの困難を乗り越えなければならない。 ただ、この労災保険制度には、これまで一つの前提があった。病気や負傷が労働災害として認められた場合、その被害の起きた企業側からは、認定の取り消しを求められない仕
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