南米のブラジルといえば、BRICsの1角として、経済発展が目覚しい国です。サッカーのワールドカップにオリンピック開催まで決まり、「21世紀はブラジルの世紀」と呼んでもいいほどです。 豊かな天然資源に恵まれ、巨大な海底油田の存在も次々に明らかに。農業大国でもあり、羨ましいことばかり。 しかし、羨むことのできない点もあります。それは「犯罪大国」でもあるということです。 今年1月、私はブラジルのサンパウロを取材しました。多くの日系人と会いましたが、地方で農業に従事する人たちが心配していたのが、強盗の襲撃でした。治安が悪いのは地方ばかりではありません。いや、むしろ都市部の治安悪化のほうが深刻です。サンパウロにしてもリオデジャネイロにしても、「ファベーラ」と呼ばれるスラム街がいくつも存在し、ここが治外法権状態なのです。 入り組んだ狭い道と積み重なるようにアパートが密集した地域は、警察もアンタッチャブ
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