市場に対する過小評価を考えると、スコットの国家に対する批判も同様の問題を抱えていないだろうか、という疑問が湧く。 イェール大学の高名な政治学者、ジェームズ・C・スコットが今月(2024年7月)の19日に亡くなったという悲しいニュースが入った。 以下に掲載するのは、私が2017年に書いた書評(に少し変更を加えたもの)である。2017年はスコットの著書『反穀物の人類史』が刊行された年だ。私はこの素晴らしい著書を受けて、国家計画、農業、経済発展におけるハイモダニズム(high-modernism)への批判として名高く、私もよく学生や友人に勧めているスコットの前著、“Seeing Like a State”『国家の視点に立つ』〔未邦訳〕について再考したくなった。 『国家の視点に立つ』は、スコットの他の著書と同様、多くのリバタリアンや古典的自由主義者に広く絶賛された(こことここを見よ)。これは驚くべ
