ハードウェアのシリコンバレー(The Silicon Valley of Hardware)とも呼ばれてきた中国・深セン。北京市、上海市と並び、中国の3大スタートアップ・エコシステムの一角をなしている。世界最大級のエレクトロニクスの集積地として広範なサプライチェーン、マーケットへのアクセスの良さ、ハイレベル人材の厚み、活発なベンチャーキャピタル(VC)投資によって、国内外のスタートアップを引きつけてきた。最近では、人工知能(AI)を活用したスマート・ハードウェアの研究開発が進み、エコシステムはさらに進化を続けている。 本稿では、深セン市のスタートアップ・エコシステムをとりまく行政支援の現状を概観するとともに、海外のスタートアップとの連携で先行する同市のハードウェア系アクセラレーターのiMakerbase(大公坊創客基地)および概念実証(PoC)やパイロットプロジェクトを手掛ける深圳清華大学