北方領土周辺で日本漁船が拿捕(だほ)されないための「安全操業協定」を、ロシアが7日、一方的に中断すると発表した。政府関係者によると、日本側は「一方的な発表は受け入れられない」と抗議。日本は協定履行に向け交渉を続ける考えだが、ロシア側の出方次第では既に妥結した日露間の他の漁業交渉にも影響が及ぶ可能性がある。 松野博一官房長官は8日の記者会見で、ロシア側の対応を「遺憾だ」と非難した。 安全操業協定は日露間に4つある漁業協定の一つ。北方領土の主権問題を棚上げした上で四島周辺のロシアが領海と主張する海域で、日本側がロシア関係機関に協力金を払ってホッケ漁やタコ漁などを行う仕組みだ。 今回、ロシアは日本側がこの協力金の支払いを拒んでいることを協定中断の理由に挙げている。水産政策に詳しい北海学園大の浜田武士教授は「ウクライナ侵攻に対する米欧日の金融制裁でロシアへの送金ルートが狭まったことを理由に、日本か