日本でも多数の企業が参入見込みの仮想発電所(VPP)事業だが、その技術的な参入障壁は意外に高い。システムの可否が、事業内容の選択の幅や成否に直結する。電力取引市場では、人工知能(AI)も大きな競争軸になりそうだ。技術的に目立つ取り組みをしているVPP事業者やシステムを紹介する。 仮想発電所(VPP)事業者に名乗りを上げつつある企業は非常に多い。VPPのためのシステムベンダーも多数登場している。ただ、VPPでは、多い場合は1万件以上の分散型電源を束ねながら、各電源を状況に応じて迅速かつ低コストに制御して、それらの電力の合計を狙った値にしなければならない。典型的なIoT(Internet of Things)技術であるのに加えて、高速応答性や高い精度の制御技術が求められるわけだ。これは、誰でもできる簡単な技術ではない。 現状では、それを避けるように束ねる対象を比較的規模の大きい発電事業者に絞っ
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