日本古来の「結び」文化 宮内庁は、皇太子の新天皇への即位に伴う大嘗祭(だいじょうさい)を、2019年(平成31)11月に行う方針を固め、具体的な準備に着手することになったという。 大嘗祭は天皇が即位後に初めて行う新嘗(にいなめ)祭で、大嘗祭の前日には、歴代の天皇の魂を鎮める「鎮魂祭(鎮魂の儀)」が行われるはずだ。この祭祀のなかには「御魂(みたま)結び」という、木綿の糸を呪術的作法によって結ぶ行事がある。 こうした「結び」の呪法は、魂が身体から抜け出すのを防ぎ、またいったん遊離した魂を元にもどすためのものであった。 日本人にとって「結び」は、古くから続く精神文化であり、その思想性の高度で複雑な点は、世界でも類例をみないといわれている。年越しから新年にかけては、「結び」を目にする絶好の機会だ。 門松にしめ飾り、床の間飾りや鏡餅などの正月飾りは、新年になると家々を訪れる、「年神様」を迎えるための