真夜中の余震で家を飛び出し、駐車場で夜を明かした。「パジャマにギャルソンの靴だよ、ばかやろー。まじ死ぬかと思った、まだ生きてる」 東京「外遊中」に家族のいる熊本で大地震が起きた坂口恭平(新政府内閣総理大臣)は、一睡もしないまま夜を明かし、なんとか熊本市の自宅までたどり着いた(第1回はこちら gendai.ismedia.jp/articles/-/48475)。被害状況を目にして、これなら時間をかければ復興できると思ったのもつかの間、その日の夜にふたたび激震が襲ってきた……。 一瞬で生死が分かれる危機。そのとき坂口は何を考え、どう動いたか。瞠目のリアルタイム・ドキュメント第2回。 TEXT 坂口恭平 2016年4月16日 鼻をすする音がする。薄めを開けてみると、メイ(15歳。僕の姪っ子。義姉アヤコの子)が起きてきてテーブルの上のティッシュを取っている。鼻炎だろうか。いや、怖くて泣いているの