新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、東京都での自宅療養を余儀なくされている感染者数は、入院調整中を含めて約2万5000人を超える。容態が急変して、亡くなる悲劇も相次いでいる。 医療を受けられずに重症化している感染者を救う手立てはないものか。自宅療養の患者を診療する在宅医からの「もう限界だ!」との悲痛な叫びに突き動かされて、東京都医師会の尾﨑治夫会長が提案するのが"野戦病院"だ。 感染者を一堂に集めれば症状を見守ることができる。医療側にとっても効率的だ。だが、行政の腰は重い。「都は現場をわかっていない」と怒りの声を上げる尾﨑会長のいら立ちは、頂点に達している。 「国も東京都も、やる気がないんだからムリだね。かつて安倍(晋三首相)さんは民主党政権を『悪夢』と言ったけど、今の状態こそ悪夢だよ」 感染者の急増が収まらない8月18日のことだ。筆者と電話で話す尾﨑会長の声は、明らかにいら立っていた。
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