【ポイント】 認知症専門外来を認知症疑いで受診した患者446名のうち、7名(1.6%)が発達障害(ADHD)であったことが判明した。 先天的な疾患と考えられている発達障害が、加齢により後天的に顕在化する可能性があることが示唆された。 ADHDと診断された高齢患者の約半数が、治療薬により症状が改善した。 【概要説明】 熊本大学病院神経精神科の佐々木博之特任助教、同大学大学院生命科学研究部神経精神医学講座の竹林 実教授らの研究グループは、認知症が疑われ熊本大学病院の認知症専門外来に紹介された446名の患者について調査研究を行ったところ、7名(1.6%)の患者が認知症ではなく、発達障害の一つである注意欠陥多動性障害(ADHD)であったことを世界に先駆けて報告しました。このことにより、先天的な疾患と考えられている発達障害が、加齢により後天的に顕在化する新しい可能性が示唆されました。さらに、認知症と