貿易戦争で緊張感が続く中国で、中小銀行の事故が相次いだため銀行間流動性にやや不穏な雰囲気が流れた。今のところは当局の素早い対処療法で流動性危機の芽は押さえ込まれているが、長期的に見て中小企業への効果的なクレジット供給が続くかが怪しくなっている。 中国のメガバンクは預貸率が低く、図体の割りには取れるクレジットリスクも小さい。国有企業などに一通り貸して余ったお金をインターバンクに流し、それを中小銀行が借りて更にリスキーな貸出し先を探すという、誰かが「車のディーラー網のように」、また「昔の日本のように」と形容していたが、そういうウォーターフォール状にクレジットが社会全体に供給されることになっている。ということは上の方で金融緩和を行ってもウォーターフォールの一番下に流れるまで時間がかかるし、そもそも一番下までコントロールできない可能性もある。その間に国有企業や大手不動産企業が横からチープクレジット