9日の中国外相会見で朝日新聞中国総局の記者が沖縄県・尖閣諸島について、「中日間の釣魚島問題での対峙(たいじ)は半年に及ぶ」などと、2度にわたって中国名である「釣魚島」という表現を使って質問した。 領有権主張などで相手国との対立がある場所は、自国での呼称で質問することが一般的だ。日本での記者会見でも、中国人記者が「尖閣諸島」、韓国人記者が「竹島」(韓国名・独島)を使うことはほとんどないとされる。 しかし、反日感情が高まっている中国では、全国にテレビ中継される場面で「尖閣諸島」と口にすれば、身に危険を及ぼす可能性もあり、最近、島の名前を触れずに質問する日本人記者が増えている。5日の全人代開幕式の会見でも、共同通信の記者は「中国はいかに日本など周辺国との摩擦を緩和させるのか」と質問していた。