その数なんと数十億匹! 現在、アメリカ東部の幾つかの地域では、17年間もの間、地中で暮らしていたセミたちが大量に羽化し始めている。 それは北米大陸に生息する「ブルードX」と呼ばれる周期ゼミ(素数ゼミ)で、その数は数十億匹にもなると言われている。 彼らの地上での生活はたったの4〜6週間。その間、オスはメスを引きつけて交尾をするために、100デシベル相当にもなる大音量の鳴き声を発する。そのため、今年は例年にない規模で“蝉時雨”が響き渡ると予想されているが、その交尾に大きな影響を与えているのが「真菌」だと、専門家は語っている。 ウェストバージニア大学の准教授で、森林病理学および真菌学を研究するマット・カッソンが、米メディア「NPR」に語ったところによれば、真菌は、セミが地上へと姿をあらわすタイミングで、胞子を一部のセミの体に付着させ、体内へと入り込む。